毎日、新聞を読むの大変ですよね。たくさんの記事を読んでも頭に残るのはわずか・・そんなこともありますよね。欲張らず、1日1記事だけでも頭に入れるとビジネスへの活用の幅が広がります! 日経新聞から記事をピックアップして解説、1日分1分で読める分量にしています。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆者プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 企業で特許戦略に携わる弁理士。ネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治・法律)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています。
(7月31日)創薬ベンチャー投資2倍
創薬ベンチャー投資2倍
2024年7月31日(水) 日経新聞朝刊
政府は30日、都内で外資の製薬大手を招き「創薬エコシステムサミット」を開催した。画期的な新薬をつくりだすための政策目標と5年間の工程表を示した。創薬スタートアップへの民間投資額を2028年に2倍にするほか、企業価値が100億円以上の企業を10社以上輩出することなどを掲げた。
【Technology(技術)】かつては世界有数の創薬国だった日本が、近年は競争力が低下しています。海外より少ない研究開発費や、厳しい薬事規制が背景にあります。昨日、ピックアップした下記の記事とも関連するものです。日本でバイオベンチャーを広げ、海外からも呼び込む。その結果、日本の患者にも恩恵が出て、かつ、経済発展にも資する。そんなエコシステム作りを政府がサポートしてほしいものです。
(7月30日)ドラッグロス解消へ道筋
ドラッグロス解消へ道筋
2024年7月30日(火) 日経新聞朝刊
政府は2026年度までに海外の新薬が日本で使えない「ドラッグロス」の解消に道筋をつけるとの目標を掲げる。年内に米首都ワシントンに医薬品審査の出先機関を置き、現地の創薬企業に日本参入を働きかける。
【Technology(技術)】欧米で実用化されているのに、日本で未承認の医薬品は143品目もあるそうです。このうち86品目は日本向けに開発すらされていないそう。日本は取り残されている気分です。手を打つのが遅すぎではないでしょうか。製薬会社としては、日本では公的薬価制度があり、新薬の価格が抑えられている不満があるそうです。この点も解消しないと、日本の患者に光明は見えません。
(7月29日)三菱自、ホンダ・日産と合流
三菱自、ホンダ・日産と合流
2024年7月29日(月) 日経新聞朝刊
ホンダと日産自動車の連合に、三菱自動車が合流することが分かった。3社の販売台数は800万台を超え、国内はトヨタ自動車グループとホンダ・日産連合の2大勢力に集約される。米テスラや中国勢は電気自動車(EV)に巨額投資し、日本勢単独では限界がある。自動車産業の大転換が、国内の大型再編につながる。
【Economy(経済)】日本の自動車メーカーが2つのグループに集約されていきます。トヨタ連合の販売台数は1663万台、ホンダ・日産連合は833万台だそうです。各社生き残りをかけて協力しつつ競争力を高めます。ホンダ・日産・三菱自動車は3社で車載ソフトウェアを共通化する方針です。もともと、日本には車メーカーが多すぎる気がします。手を組んでも数が減るわけではないですが、競争力を高めるために踏み込んだ連携をしてほしいものです。
(7月26日)「授業料上げ」全国立大に波及
「授業料上げ」全国立大に波及
2024年7月26日(金) 日経新聞朝刊
文部科学省は25日、国立大の機能強化に向けた有識者会議の初会合を30日に開くと発表した。20年間据え置いてきた授業料の標準額の妥当性などを検証する。足元の物価高で財政状況の改善は一刻の猶予もない。授業料の値上げは経済状況が厳しい学生の教育機会を奪うとの懸念も強く、経済的支援の拡充を含めた抜本的な検討が求められている。
【Economy(経済)】国立大学と私立大学の学費の標準的なケースでの差は1・8倍にもなるそうです。学費値上げで経済的に厳しいケースも出てくるとの声もありますが、奨学金などで対応すべきかと思います。物価も上がっており、大きな差が開いているので何らかの値上げは必要かと思います。
(7月25日)世界気温、2日連続更新
世界気温、2日連続更新
2024年7月25日(木) 日経新聞朝刊
欧州連合(EU)の気象情報機関コペルニクス気候変動サービスは24日、今月22日の世界平均気温が17.15度で、1940年からの観測史上最も暑い日だったと明らかにした。21日もこれまで最高の17.09度で、2日連続で記録を更新した。
【Society(社会)】暑い日が続く日本ですが、暑いのは日本だけではないようです。世界の平均気温が最高値を更新しました。体感で暑いのではなく、数値がそれを物語っています。10年前はクーラー無しで寝ていた気がしますが、今はつけっぱなしです。こんなに急に気候が変動するのは恐ろしさを感じます。
(7月20日)世界でシステム障害
世界でシステム障害
2024年7月20日(土) 日経新聞朝刊
世界各地で19日(日本時間)、コンピューターの大規模なシステム障害が発生した。サイバー攻撃ではなく、米セキュリティー企業のクラウドストライクのセキュリティーソフトが原因と見られる。各地の空港で遅延が発生したほか銀行でも送金ができなくなるなど、影響は大きく広がった。各サービスは再開に向かっているが、一部で復旧に時間がかかる可能性もある。
【Economy(経済)】本来、各社のサーバーやパソコンを守るべきセキュリティソフトが悪さをして、大きな影響を及ぼしました。あってはならないことだと思います。サイバー攻撃は、当然ながらセキュリティの大きなリスクですが、悪意のない会社がシステムに大きな影響を与えることが露呈しました。
(7月19日)耳塞がないヘッドホン
耳塞がないヘッドホン
2024年7月19日(金) 日経新聞朝刊
NTT子会社で音響関連事業を手掛けるNTTソノリティ(東京・新宿)は18日、耳をふさがずに周囲の音も聞こえるヘッドホンを発売したと発表した。固定電話から培ってきた特許技術などを盛り込み、消費者に新たな音の楽しみ方を提供する。NTTグループの課題である研究成果の事業化に弾みをつける狙いもある。
【Technology(技術)】オープン価格39600円とのこと。少々高く、手が届きにくいですが、NTTがこういった商品を出すのは驚きです。通信だけでは稼げない時代なのかもしれません。最近の若者は、ずっとイヤホンをしているので、耳が悪くならないか心配です。高くても、耳を塞がないようにして音楽などを聴く方がいいかもしれませんね。
(7月15日)個人情報、保護強化に逆風
個人情報、保護強化に逆風
2024年7月15日(月) 日経新聞朝刊
来年の法案提出を見込む個人情報保護法の改正議論が揺れている。改正の目玉とされる課徴金や団体訴訟制度の検討案に、経済界が「データ活用が萎縮する」と強く反発した。議論は年末まで続く見込みだが、取りまとめ役の個人情報保護委員会(個情委)は個人情報保護と企業活動のバランスをにらんだ難しいかじ取りを迫られる。
【Politics(政治・法律)】個人情報保護法は、3年ごとに似直しが入り、次回の25年に向けたヒアリングが始まっています。課徴金や団体訴訟制度が検討項目に上がってますが、経済界から反発が出ています。厳しくしすぎると、データの利用が促進しません。一方、規制が緩いと不正な流出により個人が損害を被ります。保護と利用の版ランスが難しいですね。
(7月14日)「海岸経営」へ転換迫る
「海岸経営」へ転換迫る
2024年7月14日(日) 日経新聞朝刊
15日の海の日を前に各地で海開きが相次ぐ。しかし実際は今年の海水浴場開設を断念する自治体が全国で増えている。人手不足や少子高齢化、物価高などが理由だ。海岸利用を巡る厳しい規制も海岸の活用の壁となっている。インバウンド(訪日客)の地方誘致が課題となる中、海のレジャーは曲がり角にある。
【Economy(経済)】夏のレジャーとしての海水浴が曲がり角に差し掛かっています。海の家を運営する業者が減り、少子高齢化で海に行く人が減り、さらに、コロナでライフセーバーも育っていません。日焼けをしたくないと思う人も増えており、プラスの要因が見当たりません。海に入らなくても、バーべーキューや、涼むだけのリゾートもあり得ると思います。ひと工夫がビジネスに繋がるのかもしれません。
(7月12日)モバイル決済 他社開放
モバイル決済 他社開放
2024年7月12日(金) 日経新聞朝刊
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は11日、米アップルがモバイル決済サービス「Apple Pay(アップルペイ)」に使う無線通信の機能を競合他社に開放すると発表した。
【Economy(経済)】欧州だけ開放ということかと思います。EUは自分の地域内にアップルほど強い会社がないので、独占禁止を盾に無理やり開放を迫っている気がします。自分の域内にアップルと同じレベルの強い会社がれば、ここまでしていないのではないでしょうか。やりすぎると世界から取り残されたり、市場として無視される方向になるのではないでしょうか。
(7月11日)「営業利益」ルール統一
「営業利益」ルール統一
2024年7月11日(木) 日経新聞朝刊
世界の企業で普及している国際会計基準(IFRS)で、本業のもうけを示す「営業利益」の計算ルールが2027年度から統一される。これまで開示が義務ではなく定義も決まっていなかったため、企業によって中身がばらばらだった。
【Economy(経済)】日本ではこれまで営業利益の定義が企業毎に異なる場合がありました。すくなくとも9つはあるそうです。それでは投資家が混乱してしまいます。そこで、27年度から統一されます。計算方法が変わるということは、これまでより発表する営業利益が下がる会社もでてきます。持分法適用会社の利益は、これまで持ち分比率に応じて加算されていましたが、新ルールでは営業利益に含めないことになりました。企業の説明力が求められそうです。
(7月10日)物流パレット規格統一
物流パレット規格統一
2024年7月10日(水) 日経新聞朝刊
国土交通省は荷物を載せて運ぶ「パレット」について統一規格を官民で初めて定めた。物流業界ではパレットの統一が進まず、積み替えなどに無駄な時間がかかっている。共通化で作業時間が3割減になるとの試算もある。物流の効率化は産業全体に好影響を与える。
【Economy(経済)】地味なようで実は重要なアクションかもしれません。運搬に使うパレットは業界ごとに独自の者が使われているそうです。ビール業界はビールパレットと呼ばれるものを使っているそう。統一化されれば大幅な作業工数の短縮になります。切り替えは容易でないかもしれませんが、着実に行った業界が勝つのかもしれませんね。
(7月8日)500万円で「私を取締役に」
500万円で「私を取締役に」
2024年7月8日(月) 日経新聞朝刊
上場企業の株式分割が相次ぐ中、その「副作用」の懸念が浮上している。投資がしやすくなる利点の一方、株主提案の乱用を招く恐れが指摘され始めた。25分割したNTTでは今年、個人株主が約500万円分の株取得によって自分自身を取締役にするよう求める提案を出した。もともと日本は海外に比べて株主総会での株主権限が強いとされており、ルールの見直し議論も起きそうだ。
【Politics(政治・法律)】日本は欧米に比べて株主権が強いです。総議決権の1%以上、または、300以上の議決権を6か月保有すれば株主で提案ができます。近年、個人投資家が投資しやすいように株式分割をする会社が増えているので、株式提案のハードルが下がっています。今回の男性の行為は合法ではありますが、採用されないような提案が多数増える可能性があります。何らか対策が必要かもしれません。
(7月7日)暑熱に強いアスリート育成法
暑熱に強いアスリート育成法
2024年7月7日(日) 日経新聞朝刊
夏本番、パリ五輪も近づいてきた。スポーツ科学の世界で、深刻さを増す酷暑への人間の適応力を効率よく高めようとする研究が注目を集める。最前線では、涼しい高地でのトレーニングに暑熱環境での運動を組み合わせる手法が実践されている。「耐熱力」はどうしたら上がるのだろう。
【Technology(技術)】温暖化の進展とともにスポーツ選手のトレーニングも、暑さへの対策が不可避になっています。高地トレーニングと暑熱順化トレーニングの組合せに相乗効果があるとの研究がでてきているそうです。スポーツ選手は大変だなと思いますが、これらの研究は一般人にも適用可能です。急に暑くなるこの時期、どのように暑さに順応するかは、熱中症を減らすために重要ですね。
(7月6日)生成AIの業務活用 日本は半数足らず
生成AIの業務活用
2024年7月6日(土) 日経新聞朝刊
日本は半数足らず
総務省は5日発表した2024年版情報通信白書で、生成AI(人工知能)の活用状況に関する調査結果をまとめた。メールや議事録、資料作成の補助などに生成AIを使う日本企業の割合は46.8%と半数弱にとどまった。米国(84.7%)、中国(84.4%)、ドイツ(72.7%)に比べて低く、導入に慎重な企業が多い実態が明らかになった。
【Technology(技術)】ChatGPTなどの生成AIの利用率は日本は低いようです。とはいえ、約47%が活用しているというのは、私の感覚では予想外に高い印象です。今は、ブームに乗って使っている側面が強いと思います。①年後、2年後に有用な用途を見つけて使い続けている企業が、真に使いこなしている企業と言えるでしょう。
(7月4日)ウナギ稚魚、人工的に量産
ウナギ稚魚、人工的に量産
2024年7月5日(金) 日経新聞朝刊
天然資源に依存していたニホンウナギの稚魚を人工的に大量生産する技術を、水産庁の研究機関が4日発表した。人工稚魚の生産コストは2016年度時点で1匹4万円以上していたのに対し、生産効率を高めて1800円まで下げた。今後、都道府県や民間企業へ技術を普及し、量産化を目指す。
【Technology(技術)】生態に謎が多いウナギは、人工稚魚の大量生産が難しいと言われてきました。それを、水産庁の研究機関が突破しようとしています。母ウナギから受精卵を安定的に取り出す技術、遺伝的に早く成長する稚魚を選抜する技術、独自開発の餌などです。これらの技術のおかげで稚魚の1匹あたりの値段を1000円以下にすることを目標としているとのこと。私はウナギが好きなので、安定的の供給される技術は大歓迎です。
(7月3日)内定辞退者「最終面接のみ」
内定辞退者「最終面接のみ」
2024年7月3日(水) 日経新聞朝刊
イオンモール 転職希望時に即採用
イオンモールは2025年、新卒学生が同社の内定を辞退しても3年以内なら最終選考だけで採用を決める制度を始める。辞退者が別の所で働いた後、転職を希望する時に即座に採用できるようにする。小売業は新卒の採用競争が激しい。小売り大手によるユニークな人材のつなぎ留め策は他社にも波及しそうだ。
【Economy(経済)】人手不足、新卒採用難で就職活動が大きく変わってきています。内定を辞退した者が、翌年以降に最終選考だけというのは、昔では考えられません。ちなみに、内定が出たあと受諾してから自体した場合は対象外となるそうです。同じことをするかもしれないからかと思います。イオンは内定辞退率が4割にも及ぶそうです。会社自体の魅力を上げることも重要な気がしますね。
(7月2日)H3打ち上げ成功
H3打ち上げ成功
2024年7月2日(火) 日経新聞朝刊
3号機 衛星「だいち」軌道投入
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日、国の大型基幹ロケット「H3」の3号機を打ち上げ、地球観測衛星「だいち4号」を宇宙空間の目標軌道に投入することに成功した。
【Technology(技術)】ことし2月の2号機打ち上げ試験に続く2回連続の成功で衛星を軌道に投入できました。喜ばしいことです。H3の開発費は2200億円にものぼります。三菱重工とJAXAが開発しています。失敗すれば開発費の回収は困難になります。基幹ロケットとして成功し続けてほしいです。