毎日、新聞を読むの大変ですよね。たくさんの記事を読んでも頭に残るのはわずか・・そんなこともありますよね。欲張らず、1日1記事だけでも頭に入れるとビジネスへの活用の幅が広がります! 日経新聞から記事をピックアップして解説、7日分を約7分で読めるようにしています。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆者プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。ネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治・法制)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています
役員に投資家、統治強化へ
役員に投資家、統治強化へ
2022年3月7日(月) 日経新聞朝刊
米国発「ボード3.0」、日本企業でも
長期投資家を社外取締役に迎え、取締役会の情報収集力やアクティビストとの交渉力などを高める取り組みがちゅうもくされている。
【Politics(政治・法制)】ボード3.0とは、投資のプロが取締役や経営陣による戦略策定や遂行を監督するこれからの経営体制だそうです。ボード1.0は1950年代の助言型の経営体制、ボード2.0が1970年代から現在までの監督型の経営体制です。
投資家を取締役に迎えることは、株主間の利益相反や、情報格差による不平等が生じる懸念がしてきされているとのこと。社外取締役の役割に質の高さが求められる時代になってきているようです。
AR・VR特許の競争力 マイクロソフト首位
AR・VR特許の競争力
2022年3月8日(火) 日経新聞朝刊
マイクロソフト首位
ソニーグループやメタ(旧フェイスブック)が追い上げている。
【Technology(技術)】ARは拡張現実のことです。現実の画像に重畳して情報を提示したりします。VRは仮想現実のことです。サイバー領域に仮想の空間を作ります。似て非なるモノです。
米国特許を調査した結果、首位はマイクロソフト、二位がマジックリーブ、三位がソニーグループ、メタは六位とのこと。調査を行ったパテントリザルト社は、特許の件数だけでなく、自動で品質を評価するツールを持っています。ですので、この順位は単純に特許件数が多いという意味ではありません。
旧フェイスブックであるメタは21年に仮想空間であるメタバースに21年だけで約1兆1500億円を投資しています。新たなプラットフォームを握ろうという意気込みを感じます。特許力ももっと上がってくるでしょう。
中国企業、ロシア事業 苦慮
中国企業、ロシア事業 苦慮
2022年3月9日(水) 日経新聞朝刊
全人代 経営幹部ら沈黙
ロシアのウクライナ侵攻で中国企業が対応に苦慮している。
【Politics(政治・法制)】中国政府はロシアを非難していませんが、取引のある欧米との関係悪化は避けたいという、難しい立ち位置にあります。中国はロシアの最大の貿易相手国です。多くのエネルギーをロシアから輸入しています。
一方、中国にとって米国は最大の貿易相手国で21年の対米貿易総額は過去最高だったとのこと。米国とのあからさまな対立は避けたいでしょう。経済が網目のようにつながりを持つ中、政治的な対立と、経済的な関係の間で各国が苦慮する時代になっています。
自社半導体で低コスト化
自社半導体で低コスト化
アップル、5G仕様でも400㌦代性能向上に加え、省電力や量産効果でコスト引き下げを狙う。
2022年3月10日(木) 日経新聞朝刊
【Economy(経済)】アップルが自社設計の半導体を、自社製品に組込んで行ってます。最先端の半導体開発には一千億円程度もかかるそうです。アップルなら楽に支払える額だとは思います。半導体の性能が、アプリの性能を決めます。差別化の点でも自社設計は重要なのでしょう。
一方、製造は台湾のTSMCが行っています。自社工場で製造しているわけではないので、TSMC要因で半導体不足になることもあり得ます。アップルはTSMCにとって最重要顧客ですので、優先的に供給がされるとは思いますが。
SIM内蔵の半導体、実用段階に
SIM内蔵の半導体、実用段階に
2022年3月11日(金) 日経新聞朝刊
スマホ乗り換え、最短2分
スマートフォンの契約者情報が入った「SIMカード」を中核半導体に内蔵する技術が実用段階に入った。
【Technology(技術)】米クアルコム社が、半導体にSIMかを組み込んだそうです。iSIMと呼ぶそうです。現在でも多くのスマートフォンがSIMカードを抜き差しすることで契約者情報を移動させています。SIMカードはナノSIMという小さいカードになりましたが、物理的に移動させる必要があることに変わりありません。
そこで、eSIMという、スマートフォン内にSIMを取り込み、遠隔で情報を書き換える形態がでてきました。これは、スマートフォン内に専用の小さい半導体を組み込んでいます。
今回のクアルコムの半導体は、中核となる半導体の中にSIMを取り込んで、eSIMのように別の半導体を実装する必要を無くしたものです。これにより、端末の基板サイズを約1割も小さくできるそうです。その分、他の機能の部品を搭載したり、小型化することもできるとのことです。
ユニクロ 世界の目厳しく
ユニクロ 世界の目厳しく
2022年3月12日(土) 日経新聞朝刊
ロシア事業一時停止へ転換
当初はロシア事業を継続する方針だった。しかしウクライナ情勢が混迷を深め、国際社会でロシアへ批判が高まるなか、修正を余儀なくされた形だ。
【Politics(政治・法制)Economy(経済)】先日まで、ユニクロの柳井会長兼社長は「消費者がいる以上はサービスを提供する」と言っていました。生活必需品なので、こういった判断で事業継続を考えたのでしょう。
しかし、この日本的な判断が世界標準ではないことが明らかになりました。欧米企業がのきなみロシアでの事業の撤退・一時停止を行う中、日本の動きは遅いように思います。政治と経済は一体不可分になっています。今回の柳井さんの当初の判断は世界標準の判断がどこにあるのか見誤ったと思います。
廃棄物で燃料電池の電極材
廃棄物で燃料電池の電極材
2022年3月13日(日) 日経新聞朝刊
東北大など 高価な白金を代替
貝殻と畜産廃棄物を焼き固める。
【Technology(技術)】私は毎週日曜の日経新聞のサイエンスのコーナーを楽しみにしています。ここ数週間、ロシアのウクライナ侵攻で株価も原油も大きく動いてますが、気分転換をしてくれます。
貝殻と畜産廃棄物を焼き固めて作った電極はレアメタルである白金を使わずに同等の性能が出るそうです。使った貝はホヤだそうです。地政学リスクでレアメタルが輸入できない事態もあり得るのでこういった研究は重要ですね。