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タケルのブログ

【ビジネスマン必読】1週間のビジネストレンドを7分で把握〔2021/11/29~12/6〕

毎日、新聞を読むの大変ですよね。ビジネス会話で使えるトピックを短時間で把握したい方へ1日1つ、日経新聞から記事をピックアップします。7日分で約7分で読めます。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!

【執筆者プロフィール】

松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。法律だけでなくネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。

*PEST分析(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています

漁協の「独占」に待った

漁協の「独占」に待った
国が指針、直販侵害は「優越的地位の乱用」

漁協の行きすぎた「独占」にメスが入ろうとしている。
漁業者による直販に対する漁協の妨害事例などを問題視。

2021年11月29日(月) 日経新聞朝刊

漁協の「独占」に待った: 日本経済新聞 (nikkei.com)

【Politics(政治)】これまでメスが入っていなかったところにまで公正取引委員会のメスが入りつつある例です。

これまで漁協を通しての販売は漁業に従事する人にメリットがありました。販路の確保、燃料や氷などの共同調達などです。しかし、時代は変遷し、採った魚を直接、販売することができるようになりました。

自らの力で価値を高めることができるようになったということです。こうした行為に対して、漁協が行為自体を認めなかったり、直販に対して金銭の支払いを求めたりする例があるようです。

時代に合わない慣習は排除していく流れになるのでしょう。ちなみに、大企業が中小企業に対して優越的地位の乱用をすることを防止することも求められていますので要注意ですね。

東証プライム、「骨抜き」の危機

東証プライム、「骨抜き」の危機

あまりにマイナーチェンジすぎて海外勢は見向きもしていない。

2021年11月30日(火) 日経新聞朝刊

【Economy(経済)】東京証券取引所による市場区分があと4か月で再編されます。最上位は「プライム市場」となります。現在、東証1部に上場している企業はこのプライム市場に残れるかが問題になります。

プライム市場の条件として、時価総額100億円以上というものがあります。これを下回ると残れないはずなのですが、問題は経過措置が設けられていることです。基準を満たしていなくても企業が改善計画書を出せば、当面、プライムに残れるそうです。

しかも、東証は経過措置の期限を明示していないとのことです。これでは、選別が働かず、投資家が見向きもしない理由が理解できます。市場再編、企業改革の起爆剤となる期待があったのですが、日本的尻すぼみになりそうで残念です。

格差が崩す「独占容認」

格差が崩す「独占容認」
40年ぶり転機、買収・協業を監視
政治力の膨張にもメス


バイデン大統領が7月に発令した反トラスト(独占禁止)の号令が具体的な姿を現し、反大企業の論客が独禁当局など要所で大なたをふるう。

2021年11月30日(火) 日経新聞朝刊

【Politics(政治)】大手IT企業が、その資本力で有望なベンチャーなどをM&Aで買収していくことで技術革新の芽をつんでいるとの批判があります。

今回の大統領令はM&Aの制限が明記されています。さらに、M&Aだけでなく、航空業界でコードシェア(共同運航)をしようとして、それを米司法省が差し止めを求めて提訴する例が起こっているそうです。買収にとどまらず協業にまでメスが入りつつあることには懸念を覚えます。

アメリカは企業の巨大化を許容することでイノベーションをリードしてきた側面があります。バイデン大統領のこの対応がイノベーションを阻害する方向に働いたとすれば、今後数十年にわたるアメリカの発展に大きな影響を与えかねません。目が離せない動きです。

流行語大賞も大谷旋風

流行語大賞も大谷旋風

エンゼルスの大谷翔平選手をたたえる「リアル二刀流/ショータイム」が年間対象に選ばれた。

2021年12月2日(木) 日経新聞朝刊

【Society(社会)】個人的には違和感を覚えるセレクションが多い印象です。大谷選手の活躍はもちろん知っていますが、「ショータイム」ってそんなに言ってたっけ?と思います。アメリカの放送で言われていたのでしょうか。野球に疎い私だからなのかもしれませんが。

あと「ゴン攻め/ビッタビタ」。オリンピックのスケートボードから来ているようですが、流行した気は全くしません。「スギムライジング」、オリンピックのボッチャからきたそうですが、知りません。「ぼったくり男爵」、これもオリンピックのバッハ会長を揶揄する言葉のようですが、知りません。

何だかスッキリしないセレクションだなという印象でした。

ENEOS、廃プラを「原油」に

ENEOS、廃プラを「原油」に
埋もれた技術 脱炭素で脚光


ENEOSや三菱ケミカルなどが、プラスチックの廃棄物いを原油に近い状態に戻し原料として再利用する事業を始める。

2021年12月3日(金) 日経新聞朝刊

【Technology(技術)】2004年に一度手掛けて、コストなどの問題で2011年に撤退した事業だそうです。脱炭素で改めて脚光を浴びた形です。熱などで科学的にプラスチックを分解する技術だそうです。

現在でもコスト高はまだ課題とのことで、この技術を使って作ったプラスチックだと1・5~2倍の価格になるとのことです。

資源のない日本ではこのような技術に補助金を出してでも注力すべきと私は思います。技術自体を囲い込めば、設備などの輸出により日本の競争力を上げることもできます。しかし、欧州勢は一歩先をいっているようです。

1点心配なのは、特許などの技術資産についてです。一度撤退すると、関連特許を放棄したり売却したりする場合が多いです。再度、事業を立ち上げる場合は特許がない、捨てなきゃよかった、みたいなことが時折おこります。この技術についての状況はどうなっているのか気になります。

5G基地局、国内複数社で

5G基地局、国内複数社で
総務省が広域実験 中国勢 寡占防ぐ


データ通信などを巡る経済安全保障の強化に向け、官民連携で高速通信規格「5G」の新たなネットワークを構築する構想が動き出す。

2021年12月4日(土) 日経新聞朝刊

【Politics(政治)Economy(経済)Technology(技術)】5Gの基地局では中国のファーウェイのシェアが高く、これに対抗する目的があります。これまで基地局装置はメーカー1社がまるごと供給するビジネス形態でした。そこをオープン化と呼ばれる技術を使って、汎用的な機器の組合せで基地局装置を作れるようにする構想です。

これにより、コストを下げるとともに、個々の通信機器で強みをもつ日本勢の参画拡大につなげる狙いです。日本企業は国際社会の中でビジネスで勝っていくため戦略がもとめられています。この記事のような動きもその1つと考えます。前日の記事と同様、日本の産業競争力を上げる取り組みとして大いに期待したいです。

クラウド「業界特化型」激戦

クラウド「業界特化型」激戦
アマゾン、金融・車向け投入
顧客の使いやすさ前面

企業向けクラウドコンピューティングの分野で、特定の業界に特化した製品が激戦区になってきた。

2021年12月5日(日) 日経新聞朝刊

【Technology(技術)】AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)は機関投資家を対象としたデータ管理・分析サービスを始めたほか、自動車業界向けにはコネクテッドカーから情報を収集して自動運転ソフトの精度向上や故障の予知などに活用できる製品を追加するそうです。

これまで、AWSはサーバやデータベースなど汎用的な機能を割安で提供するサービスを行ってきました。そのサービスだけでの何百になります。しかし、それだけででは差別化ができなくなってきているようです。AWSはクラウド市場でかろうじて1位を保っていますが、米グーグルや、米マイクロソフトが追い上げているようです。

この記事を読んで私は2点気になります。1つが全て米国企業だということです。この先、あらゆる製品がネットワークにつながるとクラウド処理は欠かせません。その基幹システムの大半を米国に依存する懸念です。もう1点が各業界の競争力についてです。特化したサービスをクラウド事業者が提供することで、システムインテグレータ、各業界のプレーヤーの競争力が低下するのではいかという懸念です。

いずれにしても、日本が大変弱い分野であることは間違いなさそうです。

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