毎日、新聞を読むの大変ですよね。ビジネス会話で使えるトピックを短時間で把握したい方へ1日1つ、日経新聞から記事をピックアップします。7日分で約7分で読めます。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆者プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。法律だけでなくネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています
中国、「データ税」の導入浮上
中国、「データ税」の導入浮上
2021年11月22日(月) 日経新聞朝刊
「共同富裕」へ還元圧力
中国で巨大ネット企業などのプラットフォーマーに「データ税」を導入するとの観測が浮上している。
【Politics(政治)】元中国政府の官僚だった人物の発言があったとのことで、正式に公表された事項ではないようです。しかし、可能性が大いにある考え方だと思います。
アリババとテンセントの純利益は計5兆円にもなるそうです。もうけすぎ批判が強くあります。そこで、個人情報を活用した収益にいくらかを還元すべきだという考えがでてきているようです。
これは中国だけで起こっているわけではありません。グーグルもアップルも、アマゾンも収集したデータの利活用で大きな利益を得ています。グーグルのアプリは無料で使え便利だと考える個人がほとんどだと思いますが、実は自分の情報を無償で提供しているともいえます。
その情報から、その人に合った広告を表示します。その結果、購買につながればグーグルの広告主も利益になります。個人としては欲しいものを推薦してくれたので良いと考えることもできますが、収集された個人情報を活用して誘導されたと考えることもできます。
自分が提供しているデータが無償ではないとの意識を持つ必要が今後でてくるのかもしれませんね。
「クリエーター経済」12兆円
「クリエーター経済」12兆円
2021年11月23日(火) 日経新聞朝刊
デジタル基盤を利用して個人がコンテンツを収益化する「クリエーターエコノミー」が広がっているためだ。
【Economy(経済)】2021年7月~9月のユーチューブの広告収入は約8200億円で、過半をクリエーターに還元しているそうです。凄まじい額です。3か月でこの額ということは、年間だと3兆円以上もの広告収入ということになります。
歌い手さんでもユーチューブがきっかけでブレイクする例が増加しています。中間業者を通さずに販売する商品の販売におけるD2C(direct-to-consumer)のコンテンツ版といったイメージを抱きます。自分の作ったコンテンツをエンドユーザーが視聴し、クリエーターは報酬を得る。時代が変わりました。
私も半年ほどまえから短い小説を書き始めて、投稿サイトにアップすることをはじめました。アクセス数はなかなか上がりませんが、読み手から反応があるととてもうれしい気持ちになります。報酬も重要ですが、作品の反応が直接、得られるのはクリエーターとしてはうれしいことなのだと思います。
EV電池 レアメタル再利用
EV電池 レアメタル再利用
2021年11月24日(水) 日経新聞朝刊
住友鉱山、低コストの抽出技術
国内循環で安定確保
コバルトやリチウムで、鉱山からの抽出と同等の品質、コストを実現する世界初の技術を確立した。
【Technology(技術)】車載電池を砕いて粉にして銅とニッケル、コバルト、リチウムを低コストで取り出す技術を確立したとのことです。
コバルトは生産量でコンゴ民主主義共和国がシェア7割だそうです。生産国が偏っているリスクだけでなく、児童労働を伴うケースもあるようでコンプライアンス上のリスクもあります。
資源の少ない日本ではこのような技術こそ投資すべき光る技術だと思います。
デジタル通過で企業決済
デジタル通貨で企業決済
2021年11月25日(木) 日経新聞朝刊
74社、来年にも まず電力売買
大手銀行やNTTグループなど74社・団体が参加する企業連合は24日、2022年後半にもデジタル通過を実用化すると発表した。
【Economy(経済)Technology(技術)】Suicaなどの電子マネーと異なり、こちらは「デジタル通貨」です。メリットとしては、決済や送金の取引時間が削減できるとのことです。現在は請求書の処理など紙の業務が残っており、着金が2週間後とか長いと1か月後という場合もあるそうです。ブロックチェーン(分散台帳)を利用した自動決済だとこれが圧倒的に短くなります。同時に送金コストも下がります。
日銀も実証実験を開始しているようですが、今回は民間が主導して進めています。中国も着手している分野で日本も遅れをとらないようにしてほしいですね。また、一般の人に使えるようにする場合は現在普及している、各種電子マネーとどうすみ分けるかも課題です。
メタバース、次の主戦場に
メタバース、次の主戦場に
2021年11月26日(金) 日経新聞朝刊
巨大ITが狙う「100兆円市場」
仮想空間「メタバース」の開発競争が熱を帯びてきた。100兆円規模に膨らむと期待される新市場には、米エヌビディアや米マイクロソフトが本腰を入れて参戦し、インターネットや人工知能を制した巨大テックの新たな主戦場になっている。
【Technology(技術)】メタバースは巨大な仮想空間です。旧フェイスブック(現在、メタ)は2021年だけでメタバースに約1兆1000億円を投資し、欧州では5年間で1万人を採用して推進するそうです。
メタはアップルやグーグルのプラットフォーム上でアプリを提供していました。自らプラットフォームをもたない辛さを味わったのでしょう。そこで将来有望な仮想空間に大幅な投資を開始しています。
この記事を読むと日本で働いている私は危機感を覚えます。この記事に出てくる企業は軒並み米国の大手テックであり、日本の陰はありません。また、日本企業がこのような投資が出来るかといえば不可能ではないかと思います。収益化が10年、もしかしたらもっと先になるかもしれないプラットフォームを取るために今から兆円規模の投資をするわけです。
日本の起死回生策は一体なんなんだろうか?と考え込んでしまいます。
ソニー、複合経営で相乗効果
ソニー、複合経営で相乗効果
2021年11月27日(土) 日経新聞朝刊
時価総額、事業価値に22%上乗せ
ソニーグループが、複合経営企業の市場価値で各事業の価値の合計を下回る「コングロマリット・ディスカウント」の壁を乗り越えつつある。
【Economy(経済)】推定の総事業価値が14兆7000億円と、現在の時価総額(約18兆円)を上回る、「コングロマリット・プレミアム」の状態だそうです。個々の事業価値の総計よりも現在の時価総額が高いということは、相乗効果で企業価値が高まっているといえます。
直近では、東芝、GE、業績が好調な米ジョンソン・エンド・ジョンソンまでもが、複数事業を分割すると発表しています。そんな中、ソニーは相乗効果が高まっているようです。例えば、映画がヒットした鬼滅の刃を音楽、ゲームなどに展開するといった例です。
日本の電機メーカーは元気がありません。もう、ソニーを電気メーカーと呼ぶべきか分かりませんが頑張ってほしいです。懸念することは、多数事業を抱える日本企業がは流行りにのるように企業分割をすることです。シナジーを出す努力をした上で、それが困難と判断して始めて分割の検討をすべきかと思います。
ペンギンの泳ぎを解明
ペンギンの泳ぎを解明
2021年11月28日(日) 日経新聞朝刊
東工大 水中ロボットに応用
背中側に持ち上がった翼が変形し、効率よく泳いでいた。
【Technology(技術)】これまで水中で動くロボットは機動性を高めるのがか課題だったそうです。このような研究をすることで、課題を解決できるかもしれません。今回は、12~14台のカメラで解析したそうです。
生物は驚くような能力を持っています。まさに生命の神秘です。進化の過程で得てきたものを研究することで工学をさらに発展していくことができます。