毎日、新聞を読むの大変ですよね。ビジネス会話で使えるトピックを短時間で把握したい方へ1日1つ、日経新聞から記事をピックアップします。7日分で約7分で読めます。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆者プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。法律だけでなくネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています
*11月15日(月)は日経新聞朝刊は休刊日でした
EV電池 国内生産後押し
工場建設に補助1000億円
2021年11月17日(水) 日経新聞朝刊
EV電池 国内生産後押し
政府は車載用を中心に先端電池工場の建設を支援する新たな補助金をつくる。
【Politics(政治)】21年度補正予算案に1000億円程度を計上するそうです。経済安全保障上の懸念、環境対策、自動車産業の衰退防止など様々な思惑が含まれている印象です。
コンセプトは良いと思いますが、補助の額が小さいと思います。欧州は8000億円規模の補助金の計画があるそうです。1000億円だと工場1つ分程度です。あまり本気度を感じません。
ばらまき政策を行うくらいなら、成長支援に本腰を入れてほしいです。
トヨタ、テスラの3分の1 車1台の利益、遠く及ばず
トヨタ、テスラの3分の1
2021年11月17日(水) 日経新聞朝刊
車1台の利益、遠く及ばず
主要自動車メーカーの決算を分析すると、車1台の純利益は米電気自動車(EV)大手テスラに3倍近いさをつけられている。
【Economy(経済)】トヨタの販売1台あたりの利益は25万円に対して、テスラは73万円だそうです。米GMが20万円、独フォルクスワーゲンが18万円と、いずれもテスラに遠く及びません。
テスラの利益を押し上げているのはソフトの収入だそうです。自動運転など無線通信経由でソフトを日々書き換えています。顧客は月額で課金をしています。このサブスクリプションのような稼ぎ方が収益の源泉のようです。
モノ売りからコト売りへ、日本メーカーではその掛け声での製品開発が広まってきていますが、大きな収益が得られるレベルには至っていません。
これは、イーロン・マスク氏の強いリーダーシップがなせることなのかもしれません。最近では米GEが会社を分割するという記事がありました。IoT化を進めて、製造業の成功例として語られてきたGEも帰路に立っています。創業者が去ったあとにサラリーマン社長の時代がきてもリーダーシップを発揮して成長を維持できるようにするのは難しさがあるのかもしれません。
自社株買い、米株価支える
自社株買い、米株価支える
2021年11月18日(木) 日経新聞朝刊
9月末で昨年超える90兆円
業績好調なテック大手や、米当局による自己資本規制緩和に伴い金融機関が目立つ。
【Economy(経済)】マイクロソフトは9月に日本円にして6兆円以上もの自社株買いを発表したそうです。アップル、グーグル、フェイスブック、マイクロソフトは合計して20兆円もの自社株買いを行ったそうです。
自社株買いを行うと株価引き上げの効果があります。収益力の高い企業が積みあがったキャッシュを株主に還元しています。
一方、米国の経営者や富裕層は多くの株を保有しています。自社株買いをすることで、結果的に私腹を肥やすことになるので批判があります。
米国では史上初の自社株買いへの課税が検討されているそうです。これも格差是正の1つの手段となるのかもしれません。
コロナ抗原検査キット ネット販売 解禁見送り
コロナ抗原検査キット
2021年11月19日(金) 日経新聞朝刊
ネット販売 解禁見送り
政府が19日に公表する経済対策の原案から、新型コロナウイルスの感染を調べる「抗原検査キット」のインターネット販売を解禁するとの記載が削除された。
【Politics(政治)】端的にいうと、国民の利便性不在の医療界の内輪の論理で決定しているものです。
この手の記事が出る度にうんざりします。検査が間便に受けられれば、早期に感染者を特定できるようになります。しかし、医療業界が反対したようです。自分たちを通さない販売をすると得られる利益が減るということでしょう。
このあたりの打破を岸田さんには期待していたのですががっかりです。また、このような記事が日経には乗りますが一般のテレビニュースでは見かけないのも問題です。広く国民がこの状況をしり、是正のために声を上げるべきだと感じます。
早期発見により多くの命が救われる可能性があります。命を守るべき医療界が反対のことをしているように感じてなりません。
「15分宅配」米で成長
「15分宅配」米で成長
2021年11月20日(土) 日経新聞朝刊
生鮮食品 気軽に注文
注文から15分以内と驚異的なスピードで配達する「超速宅配」が米国で広がっている。
【Economy(経済)】ロシア発の超速デリバリーの「Buyk(バイク)」は今年夏にニューヨークで注文から15分以内に食品を届けるサービスを開始したそうです。
配達料は無料でペットボトル1本からでも注文できるそうです。これは、「ダークストア」と呼ばれる配達用のミニ倉庫をニューヨーク市内に20か所保有しているので可能とのことです。
ダークストアという響きは日本人には不思議な気がしますが、小さい分散倉庫をイメージすればいいのでしょう。日本も首都圏は人口が過密しています。同様のサービスが成立する気がします。大手はまだ配達まで1~2時間かかるそうです。
スタートアップが優位にたってサービスを広げる可能性がありますね。
AI投稿監視「グレー」に苦慮
AI投稿監視「グレー」に苦慮
2021年11月21日(土) 日経新聞朝刊
ヤフー、中傷多いコメント欄閉鎖
ヤフーはニュースサイトで他人への誹謗(ひぼう)中傷などが相次いだ場合、投稿欄を自動で非表示にする仕組みを導入した。
【Technology(技術)】私もヤフーニュースをよくみます。投稿欄も見ることがあります。最近だと、小室圭さんの記事で投稿欄が閉鎖されているのを見ました。相当、誹謗があったのでしょう。
投稿欄自体の存在意義も考える必要があると思います。ヤフーの投稿欄は私は基本的にオフにしています。有用な情報は皆無で気分が悪くなるような投稿が多いからです。
人が確認して削除が追い付かないのでAIを活用するわけですが、隠語や新たな事件への言及などは自動で削除するのが難しいそうです。また、グーグルは1万人超が監視に当たっているそうです。
表現の自由との関係で削除は難しい問題でもあります。一方、匿名の誹謗は当事者に大きな心の傷を負わせます。それはネット社会の健全な発達にはマイナスだと思います。