毎日、新聞を読むの大変ですよね。ビジネス会話で使えるトピックを短時間で把握したい方、必読です。1日1つ日経新聞から記事をピックアップして関連知識を解説します。7日分で約7分で読めます。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。法律だけでなくネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています
広がる「つながらない権利」
広がる「つながらない権利」
2021年9月27日(月) 日経新聞朝刊
就業時間外の連絡禁止、欧州が先行
テレワークが定着して私生活との境界が曖昧になり、長時間労働のリスクが高まったためだ。
【Politics(政治)】つながらない権利は2017年にフランスが最初に導入しました。これはコロナ前の話です。そこから、新型コロナウイルスの蔓延により課題が浮き彫りになりました。
私も1年半以上、テレワークをベースに仕事をしています。通勤がないため体はとても楽です。一方、ずっと家にいることによる公私の切り分けの難しさは実感しています。
英国の労組の調査によるとコロナによりテレワークを開始した人に35%がメンタルヘルスが悪化したと回答したそうです。うち4割が公私の切り分けができないことを理由に挙げたそうです。
日本ではこの対策への議論は鈍いです。この分野でも欧州が先陣を切っています。業務時間外はメールを見ない、来ても返事を強要しない、これは会社としてもルール化すべきだと思います。
ネットフリックスが「ディズニー流」
ネットフリックスが「ディズニー流」
2021年9月28日(火) 日経新聞朝刊
映像作品、成長へ多重活用
インターネット通販やゲーム事業の試験展開を始め、日本時間26日には初の大規模なファンイベントを開いた
【Economy(経済)】ネットフリックスの会員数は6月末時点で2億918万世帯でディズニープラスの1・8倍だそうです。
ただし、コロナ禍の巣ごもり需要で一気に会員数を増やした反動で最近の会員数の伸びは低水準になっています。そこで、ディズニーがマーベル作品で行ったような手法を採用し始めているようです。
映像だけでなく、キャラクタの模型などのグッツ、Tシャツなどの販売、派生アニメやドラマ、ゲーム化などで多重的に稼ぐモデルです。
ネットフィリックスは自ら投資してオリジナルコンテンツを多数保有しています。この多重的なモデルがうまくいけば巨額の利益につながる可能性があります。
ネットで好きなタイミングで映像が見れるネットフリックすやyoutubeは、テレビや映画を脅かす存在になっていますね。
ホンダ、走行データで稼ぐ
ホンダ、走行データで稼ぐ
2021年9月29日(水) 日経新聞朝刊
道路・街の混雑を分析し外販
ホンダは道路や街の混雑状況などを分析して外販する新事業を開始。独BMWや米ゼネラル・モーターズなどは走行データの取引所に参加する。
【Economy(経済)】ホンダは370万台ものつながる車の走行データを持っており、商業施設などに提供し始めたそうです。走行データは2030年には44兆円もの付加価値を生むとの試算もあります。
車産業は日本の製造業の最後の砦です。何とか世界と戦えるビズネスモデルを作っていってほしいです。一方、車が生み出すデータは莫大です。どのようなデータを保存するか、どのように加工をするかなどよく検討しないと無意味なデータだけが蓄積されていくことになります。
また、用途の開発も重要です。個人情報に配慮しながら、どのように活用すれば世の中が安全に便利になるか、そのアイデアが肝になるでしょう。
勝敗決した2日前の階段 安部・麻生・甘利氏でシナリオ
勝敗決した2日前の階段
2021年9月30日(木) 日経新聞朝刊
安部・麻生・甘利氏でシナリオ
「これで決まったな」。麻生太郎氏は直後に甘利氏から報告を受け、こうつぶやいた。
【Politics(政治)】このブログでは、直接的な政治の記事はほとんど取り上げてきませんでした。しかし、今回の記事はどうしても気になったので取り上げます。
この度、岸田氏が自民党総裁選を勝ち抜きました。その裏事情を語る記事です。安部・麻生・甘利の三名が、岸田氏が初回の投票で2位になったら、高市氏陣営を加えた2位・3位連合で河野氏を打ち破るシナリオを描いたそうです。
1か月前は「菅さんでは選挙は勝てない」との悲壮感が漂っていましたが、菅さんの立候補取りやめで国民の注目が集まり、人気がある改革派の河野氏でなくてもいいとの空気が漂ったそうです。
総理総裁が若返っても背後で重鎮が操っていては何も変わったといえません。脱派閥といいながら、変わっていない印象を受けました。結局、岸田さんも三人の操り人形になってしまうのではないでしょうか。
そもそも、このような裏事情が出てくること自体が不自然です。限られた人しかいないはずの空間での発言が日経にまでのるのは、あえて流しているとしか思えません。
重鎮が「俺たちが仕切っている」ことを世に知らしめているのではないでしょうか。
ゲームソフト 脱・専用機依存
ゲームソフト 脱・専用機依存
2021年10月1日(金) 日経新聞朝刊
東京ゲームショウ開幕
同じ作品をパソコンなどでも遊べるものが標準となってきた。ソフトを囲い込めなくなった専用機メーカーは独占作品を確保するためにソフト会社の買収を進める。
【Economy(経済)】東京ゲームショウが開催されました。そこで出展されている約500ものソフトのうち、プレイステーション5の作品は85作品だそうです。
しかし、そのうちPS5の独占供給するソフトは1作品のみだそうです。多くのソフトが複数ハードでプレイできる状態で提供することが当たり前になってきています。
これはハードウェアの性能向上が一因ですが、別の要因もあります。それはゲームの開発費の高騰です。大型作品になると100億円を超える開発費になるそうです。
ここ先はハードウェアがゲームを決めるのではなく、純粋にソフトウェアの出来栄えが評価される時代になるのでしょう。
パナソニック 利益目標掲げず
パナソニック 利益目標掲げず
2021年10月2日(土) 日経新聞朝刊
持ち株会社制 実質稼働
楠見雄規社長は「(利益などの)結果数値で管理しない」方針を示した。
【Economy(経済)】経営の神様と呼ばれる松下幸之助氏が創業した松下電器が現在のパナソニックです。
ソニーなどと比較されることが多い同社ですが、時価総額がソニーの約1/4と大きく後塵を拝しています。2022年4月の事業会社を独立させるための組織改編を、この10月に行いました。
社長は2~3年で変わってしまう事業部長に対しても「10年の計で目標を定めるように」求めるそうです。
会社員たるもの、自分の地位は期限付きです。その間だけよければと思うのが人間の性です。この先は、「自分が居なくなってからのこと」もいかに仕込んでおけるか、これがいい経営者の条件になるのかもしれません。
岸田さんが総理総裁になり組閣が行われています。大臣も多くが変わっています。コロコロからわる大臣にも先を考えて仕込む意識がほしいですね。
CO2燃料転換の希望 車や航空機に、20年代半ばめど
CO2燃料転換の希望
2021年10月3日(日) 日経新聞朝刊
車や航空機に、20年代半ばめど
CO2から燃料を作る研究が熱を帯びてきた。
【Technology(技術)】オランダ・デルフト工科大学の浦川教授らは、ガソリンに代わりにメタノールを原動力とする研究を行っています。
二酸化炭素からメタノールを安価に作れれば、それの内燃機関(エンジン)の燃料にできます。二酸化炭素を回収して燃料をつくるのでCO2の増加にはなりません。
そして、現時点でまだ多数稼動しているエンジンの延命にもなります。二酸化炭素を回収して利用する研究は様々行われています。ドライアイスを作ったり、飲料の炭酸に使うなどです。
ちなみにメタノールは有毒で飲めません。飲めるのはメタノールです。このような研究は補助金を多く出して推進してほしいですね。