仕事に役立つ情報

【ビジネスマン必読】7分で把握 1週間の日経トピック〔2021 7/13~7/18〕

毎日、新聞を読むの大変ですよね。ビズネス会話で使えるトピックを短時間で把握したい方、必読です。1日1つ日経新聞から記事をピックアップして関連知識を解説します。7日分で約7分で読めます。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう! 半導体工場誘致からモバイル決済まで多様なニュースがありました。

【執筆】松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。法律だけでなくネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。

「仮想発電所」東電・関電が参入

「仮想発電所」東電・関電が参入
再生エネ制御し安定供給

家庭や事業所にある発電設備などをまとめて制御する「仮想発電所(VPP)」がビジネスといして動き始めた。

2021年7月13日(火) 日経新聞朝刊

VPPはバーチャル・パワー・プラントの略で電力が足りないときはVPPから放電し、使う電力が供給を上回る場合は提携工場などに節電させることで収入を得ます。

欧州は洋上風力など再生可能エネルギーが日本より進んでいます。天候などにより供給が不安定になるので、それを補うためにVPPが発達してきたそうです。

この分野でも日本は遅れているということです。ニュースをウォッチしていて、「日本が進んでいる」と言われる分野が本当に少ないです。素材分野は進んでいます。水素関連の技術、全個体電池の技術は進んでいると言われていますが、諸外国の追い上げが激しいです。

一方、ワクチンの開発は遅いですし、薬の認可も遅いです。DXは遅れていますしキャッシュレスの普及率も低いです。この先、「日本が進んでいる」と言われる分野を増やさないと、国際社会でのプレゼンスは下がっていくと懸念します。

モバイル決裁 乱戦模様

モバイル決裁 乱戦模様
グーグル、プリン買収合意

米グーグルが日本で送金・決裁事業に本格参入する。

2021年7月14日(水) 日経新聞朝刊

日本でスマホ決裁をプリンをグーグルが買収するとのことです。プリン自体はPayPayなどより会員数はだいぶ少ないのです。しかし、グーグルの狙いは会員数ではなく資金移動業者の登録をしたプリンがもつ日本の銀行との連携にあるようです。

グーグルは莫大なユーザを抱えているので、プリンの買収で欲しかったのは会員ではなかったということなのでしょう。

日本のキャッシュレス普及率はクレジットカードを含めても3割程度のため開拓の余地があります。一方、スマホ決裁は投資の消耗戦にになっています。PayPayの21年3月期の営業損益は726億円の赤字です。PayPayは今でも大盤振る舞いの還元を行っています。それにしても巨額の赤字です。ユーザ獲得で場所取りをしたら後から手数料を上げて収益を上げる目論見でしょう。

余談ですが私が良くいく安売りスーパーのロピアはクレジットカードが使えません。PayPayも一時、テスト導入しましたが、今は使えなくなりました。現在は現金支払いだけですがにぎわっています。

クレジットカードもスマホ決裁も店舗が運営会社に手数料を払っています。クレジットカード会社の手数料は馬鹿になりません。それを払うくらいなら、安くして客に還元するロピアの手法は一理あります。そう考えると現金支払いが残ることもあり得ますね。

「広告・ゲーム再編誘発」

「広告・ゲーム再編誘発」
アップルの「IDFA」制限

米アップルがスマートフォン利用者のプライバシー保護策を強化し、アプリ業界に波紋が広がっている。

2021年7月16日(金) 日経新聞朝刊

1年ほど前にアップルがIDFAという端末識別情報の利用を制限する方針をだしてから、利用者の事前承認なくIDFAを使った広告配信ができなくなっています。

この事前承認が、6月末で16%にとどまっているそうです。IDFAがないと効率的な広告が表示できなくなります。

IDFAが制限された結果、情報を大量に持っている大手企業の立場が強くなる可能性があります。自前のデータでユーザの嗜好分析ができるからです。

私はアンドロイドユーザーですが、表示される広告やニュースが画一的になってきており気持ちが悪いです。確かに、私の検索履歴から考えると好みのものが出てきます。

好みの分野で知らない情報が知れてうれしいときもあります。一方、その他、興味がないけど実は面白いと思うような情報から隔離されている気分になります。

テレビのような画一的に情報を与えるメディアはではインターネット上と比べて広告のターゲットを絞りにくいでしょう。しかし、「あっ、そんなのあるんだ」という気付きをもらえるという意味では画一的に情報を発信するメディアも必要な気がします。

捜査記録、新型車で義務化

捜査記録、新型車で義務化
国交省が検討、来年7月から

自動車のアクセルやブレーキなどの操作を記録する「イベント・データ・レコーダー(EDR)」について、国土交通省は2022年7月以降に発売される新型車への搭載を義務付ける方向で検討を始めた。

2021年7月16日(金) 日経新聞朝刊

EDRは事故直前のアクセル、ブレーキの操作や、シート着用の有無、走行速度などを記録するものとのことです。

ドライブレコーダーの搭載が増えていますが、これだけでは事故の検証は十分にできないといえます。もちろん、搭載がない場合より遥かに検証はできるわけですが、十分とは言えないでしょう。今、裁判が行われている池袋の交通事故でも、運転ミスがあったかどうかが焦点となっています。

車メーカー側としても過失がないことを証明する証拠となりえます。一方、このような記録の仕組みを搭載するにはコストが掛かるわけですが車両価格に転嫁しにくいかもしれません。

車への安全志向は高まっているので、このような機能がついていることを消費者にアピールできれば価格に上乗せができるかもしてませんね。

TSMCの米補助金に異議

TSMCの米補助金に異議
インテル、半導体工場新設巡り
「5.7兆円支援」審議に影響

2021年7月16日(金) 日経新聞朝刊

TSMC米国での建設を進める半導体工場への補助金を巡り、ライバルのインテルが異議を唱えている。米政府が予定するTSMCへの補助金は米国の競争力をかえって損なうという主張だ。

この主張は通らない可能性が高いでしょう。TSMCの誘致は米政府の誘致で決まったものです。24年にアリゾナ州に約1兆3000億円を投じて稼働する方向とのことです。

TSMC側は台湾から出る積極的な理由はないと思われます。補助金がないのなら進出をやめますでも問題ないでしょう。

この記事で、強く思うのは「イノベーションの重要性」です。この記事の背景には半導体製造でインテルがTSMCに遅れを取っていることがあります。技術的に遅れていることの焦りのようなものを感じます。常に最先端を走っていれば、米政府もインテルを優遇するはずです。一時はCPUの先端を走っていたインテルですが、最近はAMDの猛追を受けています。AMDは製造の多くをTSMCで製造しています。TSMCは多くの企業の半導体製造を受注することで技術力だけでなくコスト力も身につけています。

ただし、米政府もインテルの見解を無視はできません。今後、製品の頭脳である半導体を国内でまかなうには自国の大手であるインテルに頑張ってもらう必要があるからです。

「パスワードより安全」模索

「パスワードより安全」模索
IT大手、生体・物理認証に軸
6桁1秒で突破 脆弱性を露呈

2021年7月18日(日) 日経新聞朝刊

英語の小文字6桁なら6秒でパスワードを突破されるそうです。内閣サイバーセキュリティセンターは「英大文字と小文字+数字+記号で10桁以上」なら安全と推奨しているそうです。しかし、多くの人がこれが現実的ではないと感じるでしょう。

私のスマートフォンは指紋認証がついています。今後は生体認証が主流になりそうです。しかし、これも完全ではありません。AIによるフェイク画像作成技術が進展すれば顔認証をだますことができるようになります。

多くの企業がテレワークを行う中、ログインの認証はIDとパスワードだけというシステムが大半を占めています。急いで改善していかないと情報漏洩やシステムのハッキングにつながる大きなリスクになり得ると感じます。

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