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【ビジネスマン必読】7分で把握 1週間の日経トピック〔2021 5/17~5/22〕

毎日、新聞を読むの大変ですよね。ビズネス会話で使えるトピックを短時間で把握したい方、必読です。1日1つ日経新聞から記事をピックアップして関連知識を解説します。7日分で約7分で読めます。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう! 今週もコロナだけでなく特許、サイバー攻撃、DXなど盛りだくさんです。

【執筆】松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。法律だけでなくネットワークスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。

特許件数増で競争力 自動運転 トヨタ、駆動技術強み

特許件数増で競争力
自動運転 トヨタ、駆動技術強み

自動運転技術の特許競争力では、1位のフォード・モーターが総合スコアを6054ポイントと前回の3・6倍に伸ばした。

2021年5月17日(月) 日経新聞朝刊

2年半前の前回調査で1位だったグーグル系列のウェイモは3位となったそうです。車メーカーが本気で特許を強化している実態が表れています。

特許は件数だけ多くても意味がありません。誰も使わない技術に大量の特許を保有していても自社も他社もやらないからです。そこで、特許の「質」が重要になります。

質の評価は色々ありますが、「自社だけではなく他社も実施すること」がまず重要です。また、特許が登録されたあとに、先行技術が見つかり無効になることもあります。ですので、「無効になりにくいこと」も重要です。その他、他社の実施が見つけやすい、日本だけでなく海外でも特許が登録されている、などの基準もあります。

しかし、これらの評価は実際に技術者が特許を読まないと判断できない部分が大きいです。そこで、この記事に名前が挙がっているパテントリザルトという会社は自動で読まずに大量の特許の「質」を評価するサービスを提供しています。

詳細なアルゴリズムは開示されていないですが、主に、「自社のアクション」、「他社のアクション」、「特許庁のアクション」を総合的に加味して評価しているそうです。例えば、日本だけでなく海外にも出願していれば重要な可能性が高いです。また、他社がその特許を無効にするために情報提供を特許庁にしていたらそれも重要な可能性が高いです。さらに、特許庁が審査の過程で引用している特許はそれも重要度が高いと推定されます。

このように、読まずに判断できる指標を組み合わせて重み付けをすることで重要度を判定しています。その合計値で会社間の比較ができます。実際に中身は読まないので不正確にはなりますが何万件もの特許を質を加味して点数が出せるサービスはとても有用ですね。

今回は私の専門の特許だったので詳しく解説しました!

サイバー攻撃、実行容易に

サイバー攻撃、実行容易に
「サブスク形式」で拡散

サイバー攻撃用のソフトウェアをサブスクリプション(定額課金)などで容易に提供する闇ビジネスが広がり始めた。

2021年5月18日(火) 日経新聞朝刊

ついに闇ビジネスにサブスクが入ってきたかと驚かされました。100ドル払えば1か月使い放題にしますと闇サイトで宣伝されているそうです。

今、日本企業を含めランサムウェアを使ったサイバー攻撃を受けています。由々しき問題です。ランサムウェアは企業のデータを暗号化して人質として、身代金を払えば暗号を解除してやると脅迫するためのソフトです。

なんとかaaSはXaaS(X as a Service ザース)と呼ばれXの部分に色々そのサービスの特徴が入ります。今回はランサムウェアのRを入れてRaaSと呼ばれているそうです。

個人もこのランサムウェアに狙われる可能性は大いにあります。企業で防御できないなら個人は簡単に狙われるでしょう。私は3か月に1回、自分のPCのデータを全て外付けハードディスクにコピーしています。

ハードディスクの値段はどんどん安くなっているのでコストは大きくありません。セキュリティソフトももちろん入れています。もし、個人的にランサムウェアに狙われてもお金なんて支払いたくないのでPCをクリーンインストールして、改めてデータを戻そうと思っています。

コロナ重症化リスク 環境・個人差の影響大きく

コロナ重症化リスク 環境・個人差の影響大きく

新型コロナウイルスによる重症者数や志望者数の違いを踏まえ、人種・民族などの遺伝的要素を数千人規模のゲノム(全遺伝子情報)解析で探る研究が進んでいる。

2021年5月18日(火) 日経新聞朝刊

遺伝子も重症化リスクを高めるものもあれば、下げるものもあるとのことです。この記事の結論としては 「日本人だけにリスクを劇的に下げる要因があるとはいえない」 とのことです。

イギリスは日本と比べて人口は約半分なのに新型コロナウイルスの死者数はおよそ10倍です。単純計算すると人口あたり日本の20倍もの人が亡くなっていることになります。

この差がありながら遺伝的な側面で要因が見つからないなら、やはり日本人の習慣が良い面で働いていると考えるしかなくなります。

そんなイギリスですがワクチン接種を一機に加速させたため経済回復が加速しています。日本は接種率で社会から大きく遅れています。これは政府の失策と思います。死者数が少ない優等生なはずなのにそれ自体をアピールするわけでもなく、ワクチンが遅れに遅れたため株価も下がっています。国際的なアピール力も実行力も欠けている政治に失望を感じます。

セリア、「100均」でも高収益

セリア、「100均」でも高収益
利益率10%、ファストリ級


統計学に詳しい社長自ら主導して考案した発注支援システムで機動的に売れ筋を入れ替え、客足を途切れさせない。

2021年5月20日(木) 日経新聞朝刊

こういった話題が出るときは近年の流れとして「AI」が必ずといっていいほど出てきます。しかし、この記事にはビッグデータは出てきますがAIは出てきません。

現社長は創業家一族だそうですが、かつて銀行のシステム構築に携わり統計学を学んだそうです。AIは入力データと教師データがあれば比較的容易に学習をさせることは可能です。

ある意味、AIは差別化がしにくいともいます。しかし、このセリアのシステムは人が考えたアルゴリズム、すなわちノウハウが詰まっています。他の会社が作ろうと思っても決して真似できないものです。

写真をコンピューターに判断させて猫か犬か判断させるアルゴリズムを人間が考えるのはとても難しいです。特徴をひとが全てプログラムできないからです。しかし、今回のセリアの例は人間の経験則がうまく活用できる分野なのだと思います。AIに頼らずにアルゴリズムを作る、これは自社だけしかできない差別化の1つの手段だと思います。

その結果、100均で営業利益率10%はたいしたものです。

「自営ワーカー」に法の保護

「自営ワーカー」に法の保護
格差対策、日本も着手


ネット経由で単発の仕事を請け負う自営の労働者「ギグワーカー」を、社会保障などの面で保護する動きが出てきた。

2021年5月21日(金) 日経新聞朝刊

ギグワーカーは日本ではUber配達員が代表的です。ライドシェアが解禁されている国だとUberの運転手もギグワーカーです。

自由な働き方ができる反面、雇用が不安定です。この度、厚生労働省は労災保険への特例加入を認める方向だそうです。

諸外国ではギグワーカーを企業勤めの人と同等に扱うよう法律を改正した国もあります。

一方、あまり規制しすぎるとギグワーカー側も働き方の自由度が低下しますし、企業側も費用的な負担が大きくなりビジネスを拡大しにくくなります。

イノベーションを阻害しないルール作りが求められますね。

デジタル人材「175万人」

デジタル人材「175万人」

2025年度までに技術者ら175万人の育成が必要だと主張する。

2021年5月22日(土) 日経新聞朝刊

自民党デジタル社会推進本部の小委員会の提言です。小さい記事でしたが気になるって取上げました。

日本はDX(デジタルトランスフォーメーション)で後れをとっています。政府のITリテラシは低いですし、キャッシュレス化も遅れています。

コロナ対応でもシステムは不具合だらけです。では、この記事のように技術者がたくさんいればいいのでしょうか?

台湾はデジタル化で日本のより先を進んでいます。そんな台湾でデジタル担当政務委員(閣僚級)を担う、オードリー・タン氏の書籍を読みました。

マスク不足をIT活用でいち早く解決するなど、タン氏のことはニュースで知っていました。

さぞかし「スゴ腕のプログラマーなんだろう」と想像していましたが書籍を読んで驚きました。

書いてあることは技術のことではなく「ITを使っていかに少数の意見を政治に取り入れられるか」だったり「ITの力でいかに国民と政府の境界をなくしオープンな協力関係が作れるか」などが語られていたからです

プログラムができる人が多いからデジタル化がうまく進むわけではないと考えます。ITの力をどういう思想で活用していくか、その考えやポリシーがまず重要と思います。

この記事だけではその点が読みとれなかった点が気になります。

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