新規ビジネスやイノベーションに関する気になった、1週間のニュースをまとめて紹介。
コロナ軽症化の遺伝子 古代人から
コロナ軽症化の遺伝子 古代人から
2021年3月1日(月) 日経新聞朝刊より
現代人の一部は約4万年前に絶滅したネアンデルタール人から、新型コロナウイルスに感染したときに症状が軽くなりやすい遺伝子を受け継いでいるようだ。
コロナ軽症化の遺伝子、古代人から: 日本経済新聞 (nikkei.com)
ネアンデルタール人自体は絶滅しているが、現人類の祖先とネアンデルタール人が交雑しDNAの一部が残っているそうです。
この遺伝子の中には新型コロナ感染で重症化リスクを高めるものと、逆に重症化を抑える遺伝子が含まれているそうです。
新型コロナウイルスが蔓延して重症者の遺伝子を調べたことでこの事実が初めて分かったわけです。
このような研究が進展すれば新たに発生するウイルスへの対抗策があらかじめわかる時代がくるかもしれません。
恐竜や化石の研究は個人的には好きなのですがイノベーションにはつながらないと思っていました。しかし、このような研究結果を見ると太古に関する研究も新薬開発などのイノベーションにつながるかもしれないと思えてきました。
メルカリ・アリババ 連携
メルカリ・アリババ 連携
2021年3月2日(火) 日経新聞朝刊より
中国で越境ECを強化
日本のフリマアプリ「メルカリ」に出品された商品を中国の利用者が購入できるようにし、越境EC(電子商取引)を強化する。
メルカリは日本ではフリマアプリの老舗です。私も使っています。日本では楽天が運営するラクマもフリマアプリで有名です。
販売手数料はメルカリが10%に対しラクマが3.5%でした。最近、ラクマが手数料をアップし6%になりました。
売り手からすると販売手数料が少ない方がいいのでいまだにラクマで売る方がお得です。
手数料が高くてもメルカリが継続できるのは、先行者利益があるからでしょう。
統計を取ったわけではないですが同じ商品を検索してもメルカリの方が出品数が多い気がします。
たくさんの人が出品すると買い手の利便性が上がり、買い手が増加します。買い手が増えるとよく売れるので売り手が増えます。
このように先行者は囲い込みができます。とはいえメルカリも事業拡大が必要でアメリカに進出していますが苦戦しているようです。
今回のアリババとの連携は、自社で進出するリスクを下げながら中国に進出するための1つの手段なのかもしれませんね。
ウーバー、宅配全国拡大
ウーバー、宅配全国拡大
2021年3月3日(水) 日経新聞朝刊より
料理宅配のウーバーイーツジャパンは2021年中にもサービス地域を全国に広げる。約10万人いる配達員も最大で20万人に倍増する見通し。
コロナ禍で急速に伸びた業界が料理宅配です。ウーバーイーツの利用者も1年前の約300万人から、現在は約900万人にまで伸びているそうです。
アメリカのように個人の車を使ったライドシェアが法律上できない日本ですが、そのマッチングシステムをうまく流用して立ち上げたサービスといえます。
コロナ前に仕込んでいたビジネスが急に花開いたといえます。
ウーバーイーツの配達員はギグワーカーと呼ばれる人々で日本では個人事業主です。
ギグワーカーの労働環境については世界的に問題になっています。日本では最低賃金の適用もないそうです。
自由な働き方と引き換えにリスクを取っているともいえますが、労働環境や賃金の状況が悪いとサービスの質も落ちる可能性があります。
そうなると消費者にも不利益が発生します。今後の世界各国の動きは要注意ですね。
「コト支出」巣ごもりで勢い
「コト支出」巣ごもりで勢い
2021年3月4日(木) 日経新聞朝刊より
コンテンツ配信への支出は前年同期比36%増えた。ネット経由のモノの購入は20%の増加だった。
データで探るコロナと消費(中) 「コト支出」巣ごもりで勢い: 日本経済新聞 (nikkei.com)
コンテンツ配信の伸びの要因の9割は新規利用者だそう。新型コロナの影響でライブがオンラインになったりしています。
「本当は会場でライブで見たい」という人が仕方なくオンラインのライブを有料で視聴する場合もあるかと思います。
一方、これまで会場までは行かなかった人が、「有料でもライブが見られるなら見てみよう」と考えて視聴する例もあると思います。
この点ではコロナで外出できないからという理由ではなく、コロナが新しい市場を切り開いたといえます。
我が家の妻や娘も同様で、「家で有料ライブを見たい」と言っています。会場のライブがいい人はコロナが収束したら会場へ足を運ぶかもしれませんが、後者の人々はコロナ後も家でコンテンツを視聴するかもしれません。
不可逆な潮流を見逃さないことが新規ビジネスにつながると思います。
基本料にも価格変動制 ウーバーイーツ まず2府県で
基本料にも価格変動制 ウーバーイーツ まず2府県で
2021年3月6日(土) 日経新聞朝刊より
ウーバーイーツジャパン3月から需要に応じて配送基本料が変わる「ダイナミックプライシング」を福岡県と京都府で導入した。
需要と供給で価格を変更するのがダイナミックプライシングです。需要が多い時間帯は高く、少ない時間帯は安くする。
価格決定の理屈に合致した方法です。少し前の時代だとアクティブに帰るためのデータが不足していました。
しかし、IT化が進んだウーバーイーツのようなサービスでは自動的に値付けができますし、利用者もアプリで刻々と変わる値段を確認できます。
数年前、本場のアメリカで配車サービスとしてのウーバーを利用しました。チェックアウト前に部屋で見た値段と、チェックアウト後に見た値段がだいぶ異なっており驚いた記憶があります。
日本のウーバーイーツも本場の技術やノウハウを転用しているのかもしれませんね。
見逃せない「カエル跳び」
見逃せない「カエル跳び」
2021年3月6日(土) 日経新聞朝刊より
新興国の経済成長を語るうえで、「リープフロッグ(カエル跳び)」と呼ばれる現象は見逃せない。
おもしろいネーミングだと思います。これは、新興国が新技術を一気に導入することで新興国を一気に飛び越すことをいいます。
中国でのキャッシュレス決済などは一例です。ある世代の技術を飛び越し、先進国ので普及する技術の1つ先を早めに導入するのです。
先進国では導入された技術を時間をかけて次の世代に進めていくことになります。既存の技術が普及しすぎていてすぐに置換できないからです。
先進国であってもリープフロッグは可能なのではないかと思います。キャッシュレスでは日本は後進国になりつつあります。中国の技術の1歩先を早期に導入することもできると思います。
あと私見ですが、このリープフロッグは1回しか使えない手のように思えます。一歩先の技術を導入したらそれが普及するわけで、次の技術に移っていくのには時間が必要になるからです。
日本が後手に回っている分野を活性化させていきたいですね!
三井住友銀が「環境預金」
三井住友銀が「環境預金」
2021年3月7日(日) 日経新聞朝刊より
2000億円、Co2削減に融資
この預金の特徴は集めたお金の使い道がCo2削減につながり事業という点だ。太陽光発電や風力発電、環境に配慮した建築物なども想定しているそうです。
SDGsの認知度が上がっており環境への配慮が差別化の1つになっていますね。
横んはオランダのESG(環境・社会・企業統治)評価会社の認証を受けた指針のそって募るそうです。
気になるのが認証が欧州の会社であるということです。日本は標準化が苦手です。欧州はルールメイキングを使ってビジネス拡大をするのが得意です。
スポーツの世界でもルールが帰られて日本人が勝てなくなった例はたくさんあります。
日本も認証を作る側の立場になりビジネス拡大をしていきたいですね。