毎日、新聞を読むの大変ですよね。たくさんの記事を読んでも頭に残るのはわずか・・そんなこともありますよね。欲張らず、1日1記事だけでも頭に入れるとビジネスへの活用の幅が広がります! 日経新聞から記事をピックアップして解説、7日分を約7分で読めるようにしています。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆者プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 大手企業で特許戦略に携わる弁理士。ネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。TOEIC 850点。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治・法制)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています
アップル、EU規制に反発
アップル、EU規制に反発
アプリ開放 手数料収入減少もアップルが法案に反発する一方、グーグルは受け入れ姿勢を示すなど、規制対象企業の反応は分かれた。
2022年3月27日(日) 日経新聞朝刊
【Politics(政治・法制)】昨日の記事でピックアップした事項のアップルのコメントが出ました。「いくつかの条項はプライバシーやセキュリティに不必要な脆弱性を生み出す」「過大な投資をしている知的財産に課金することをきんじるものだ」と懸念を示したそう。確かに、投資に対しては正当なリターンは得られるべきです。しかし、現状は売上の15~30%とかなり高額な手数料を得ており、年間で2兆4000億円にもなるそう。かなり独占的ではあると思います。
違反には世界年間売上の最大10%が罰金となるとのことで、アップルとしては無視できないのは事実です。今後の動向をウォッチしたいと思います。
EU、巨大ITに事前規制
EU、巨大ITに事前規制
独占防止 後手の対応見直し欧州連合(EU)は、巨大IT(情報技術)企業への包括的な事前規制にかじを切る。
2022年3月26日(土) 日経新聞朝刊
【Politics(政治・法制)】デジタル市場法案(DMA)と呼ばれるものに欧州連合議会と理事会が合意したそうです。
これにより、自社サービスの優遇、データの他サービスでの再利用、自社の決済・認証サービスの義務付けが禁止されます。デジタルビジネスは成長の速度が速いので事後的な規制だと手遅れになるとのことです。事前規制には日米でも関心が示されているそう。巨大ITへの規制が今後も続きそうです。
日立、SFが導く研究開発
日立、SFが導く研究開発
小説から新技術を議論
メタバースの課題探るビジネスにSF(サイエンスフィクション)を活用する動きが広がり始めた。
2022年3月25日(金) 日経新聞朝刊
【Technology(技術)】未来を描いた小説をもとに、議論をすることで、将来必要な技術や制度を議論しはじめたとのことです。このような取り組みは「SFプロトタイピング」と呼ぶそうです。現在できることを起点に考えると、破壊的創造ができません。できるか、できないかを脇に置いて幅広く空想することで突飛な未来、しかし、来るかもしれない未来を思い描けます。私は1年くらい前から短編SF小説を書いて投稿サイトにアップし始めました。楽しいですよ。
CPUシェア インテル復活
CPUシェア インテル復活
2022年3月24日(木) 日経新聞朝刊
4年ぶり 8割
パソコンの頭脳を担うCPUの国内小売市場で、米インテル製が販売シェアを伸ばしている。
【Economy(経済)】AMDに追い上げられていましたが、インテルのシェアが上がっているようです。値段の安さでAMDが追い上げていましたが、その優位性が低下しています。AMDは生産を台湾のTSMCへの生産委託に切り替えました。しかし、コロナ禍からの需要回復でTSMCが製造する半導体の値段が上がっています。
また、インテルが昨年発売した第12世代コアプロセッサ―が好評とのことです。処理速度を高めるPコアと、電力効率を高めるEコアを組み合わせたハイブリッド設計で高速と低消費電力を実現しているそうです。
AMDはインテルがわざと市場に生き残らせたと聞いた事があります。市場が一社になると独占禁止法の問題が起こるからです。程よい位置の敵として存在してもらうことがインテルにとって都合がいいのかもしれません。
みずほ、グーグルと提携
みずほ、グーグルと提携
2022年3月23日(水) 日経新聞朝刊
DXテコ入れ、提案力磨く
2022年度中にも、グーグルのクラウドで顧客データを分析し、投資信託や住宅ローンの提案など顧客ごとに適したサービスを提供する。
【Technology(技術)】みずほは、単にシステムを導入するにとどまらず、グーグルの企業文化を取りれるそうです。みずほ銀行は、システムトラブルを多く起こしています。今回の記事を読む限り、銀行の基幹システムについてではなさそうです。私の感覚では、大々的に発表するような内容には見えないのですが、システムトラブルが続いているので改革をしていることを対外的にアピールする狙いがあるのかもしれません。
供給網全体で機密管理
供給網全体で機密管理
2022年3月22日(火) 日経新聞朝刊
政府 中小にサイバー防衛促す
中小企業も対象にサプライチェーン(供給網)で機密情報を守る体制整備を求める。
【Politics(政治・法制)】最近では、トヨタ自動車へ部品を納めるメーカーがサイバー攻撃を受けたことが原因で工場を一時停止しました。このように自社だけでなく、関連する取引先のセキュリティリスクが及ぼす影響が大きくなっています。
そこで、政府は事業者にサイバー攻撃への対処を促す指針を改定するとのこと。指針自体に法的拘束力はないが、政府主導で点検・指導する仕組みを整えるそうです。個人のPCもサイバー攻撃の対象になりえるので、セキュリティソフトは入れましょう。私も有料のものを入れています。
海外知財訴訟、中国が阻止
海外知財訴訟、中国が阻止
法廷地を自国に限定、日欧勢は懸念中国の裁判所が知的財産を巡る訴訟で「禁訴令」と呼ばれる命令を連発している。
2022年3月21日(月) 日経新聞朝刊
【Politics(政治・法制)】この「禁訴令」は、中国以外で関連訴訟を起こすなどを禁じるものです。違反すると最大で1日に約1800万円もの罰金になるとのこと。
実質的に中国以外で訴訟が起こせなくなることで、知的財産の交渉を中国の訴訟でのみ争うことなります。その結果、安いライセンス料で合意せざるを得ないケースが想定されます。
欧米や日本でもASI(訴訟差し止め命令)という関連訴訟を禁じる仕組みがあります。日本で発令された例はないそうです。今後も中国はこの命令を出し続けるだろうとの予測です。自国主義が知財の分野でも表れ始めている印象です。