新規ビジネスやイノベーションに関する気になったニュースを1日1つ紹介。
AI、文字認識に革新
AI、文字認識に革新
2021年4月19日(月) 日経新聞朝刊
紙の情報を素早くデジタル化
大量の学習を通じて形の崩れた手書きの漢字なども性格に認識できるようになった。
AI、文字認識に革新 窓口業務の効率向上: 日本経済新聞 (nikkei.com)
私も興味があってpythonという言語を使って簡単な機械学習のプログラムを走らせたことがあります。
この最初の例でよく用いられるのが手書きの数字の認識です。決まった手書き文字のセットがあってそれをどのくらいの率で認識できるかを判定します。
これを応用して郵便番号の読み取りは古くから実用化されていました。
しかし、今回のAIの凄いところは崩れた漢字や、書き損じで消した文字があっても正しく判定できる点です。
これは単純な数字の判定よりはるかに難易度が高くなります。
AIの中でも人間の脳を模擬したモデルである深層学習(ディープラーニング)を使っています。
このような記事を見るとAIの進化が驚くスピードで進んでいることが分かりますね。
自分の仕事がAIに奪われないように何が人間しかできない付加価値か考えないとダメですね。
トヨタ、EVも原価低減
トヨタ、EVも原価低減
2021年4月20日(火) 日経新聞朝刊
上海国際自動車ショーが19日に開幕し、世界の大手が一斉に電気自動車(EV)の拡充策を打ち出した。
トヨタは25年までに新型車9車種を含む15車種を販売、新ブランド「bZ」も立ち上げるそうです。
アルファベット2文字がイマイチ、インパクトを感じないのですが、EVで後発のトヨタもついに本腰ですね。
今回の上海ショーの主役はEVのようです。エンジン車のインパクトはだいぶ小さそうですね。
日系ではホンダも10車種を5年以内に中国でEV投入をするそうです。中国勢も50万円以下のモデルを出すなど活況です。
何で発電した電気を使うかによりEVでもCo2排出量が変わるとの議論はありますが、そんなのお構いなしにEVシフトが進んでいる印象をもちます。
台湾の鴻海精密工業もEV組立工場を立ち上げはじめており、スマホの次を狙っているようです。
日本はEVシフトが遅い(最近、なんでも日本が遅いしか言えずに残念ですた)のですが遠からず来る世界と考えます。
まだ充電スタンドも多くなく不安があります。インフラ増加とEVに乗るカルチャーを作っていくことが普及のポイントですね。
通販サイト障害に保険
通販サイト障害に保険
2021年4月21日(水) 日経新聞朝刊
損保ジャパン 出店企業の減収補償
システム障害で通販サイトが停止した場合に、出店企業の売り上げ減少を補償する保険を2021年中に売り出す。
電子商取引ではシステム障害で販売が中断してもサイトの運営会社から補填されないケースが多いそうです。損保ジャパンはイスラエルのスタートアップと組んでクラウドサービスを監視し障害を自動検知するようにするそうです。
若者のの車離れなどで車の保険は頭打ちです。そこで損保会社は新しい領域に保険を作ろうとしているのだと思います。
ただし、リスクが全く見込めない領域に保険を作るのは困難です。ECの世界はこれまでのデータからリスクの程度を計算して保険が設計できるということなのでしょう。
保険の世界もDXが進んでいるということですね。
EU、AIに包括規制案
EU、AIに包括規制案
2021年4月22日(木) 日経新聞朝刊
EUが人工知能の利用規制に乗り出す。顔認証などでも利用で事実上の事前審査制を導入する。
違反すれば最大で3千万ユーロ(約39億円)か世界売上高の6%分の罰金の可能性があるそうです。
AIが人々を監視したり、差別的なスコアリングをすることは問題です。しかし、イノベーションを阻害しないようにしないといけません。
今回の規制案では法執行を目的とする公共空間での顔認証などは禁止とされているとのことです。
警察が監視のためにリアルタイムで顔認証するのことはできないようです。ただ、これは安全な社会を作るうえでは完全に禁止しないほうがいい気がします。
また、今回は「事前審査」が入っています。欧州は規制を作りそこに「認証」を紐付けるのが上手です。
欧州には数千億円もの売り上げがある巨大な認証機関が複数あります。今回も「売れる規制」を作って認証で稼ぐための仕掛けが裏にあるような気がしてなりません。
データで空き家予測
データで空き家予測
2021年4月23日(金) 日経新聞朝刊
国土交通省は自治体に不動産などのオープンデータの活用を促す指針をまとめた。
官民が公開する多様なデータを組み合わせて空き家の発生リスクを予想するといった具体策を盛り込んだ。
国や自治体には未活用のデータが大量にあるはずです。それらをオープンにして民間でサービスに活用できるようにすることは大変有用です。
国民にも大きなメリットがあるでしょう。そこから新たなビジネスが生まれます。スマホから取得できるデータはアップルやグーグルにほぼ独占されているといっていいでしょう。
そこでは得られないデータを活用したビジネスは日本だけでなく外国でも通用する可能性があります。日本初の独創性のあるサービスを生み出すためにもスマホでは取れないデータの公開を望みたいですね。
パナソニック DX支援で稼ぐ
パナソニック DX支援で稼ぐ
2021年4月24日(土) 日経新聞朝刊
米ソフト大手を7700億円買収
パナソニックが製造・流通向けのソフトを手掛ける米ブルーヨンダーの買収を決めたそうです。
パナソニックはこれまで三洋電機の買収や、車関連、家電関連の会社も買収していますが大きな相乗効果を生み出せていません。
古くは松下電器産業という会社名の際に米国の総合メディア企業MCAを買収したこともあります。これも相乗効果を生み出せないまま手放しました。
ソニーがうまくコンテンツ事業を取り込んだんのとは大違いです。
そんなパナソニックですが今回の買収を仕掛けたのは元日本マイクロソフト社長の樋口さんという方です。買収後は半分の時間は米社のあるアリゾナで過ごすつもりだと言っているそうです。
今回の買収が名門パナソニックに大きな相乗効果をもたらしてくれることを期待します。
宇宙の「目」で見る経済
宇宙の「目」で見る経済
2021年4月25日(日) 日経新聞朝刊
コロナ下「新車台数減」を察知
JAXAは陸域観測技術衛星「だいち2号」を使ってコロナ環境での車の台数などを解析しているそうです。
衛星画像の解析によりコンテナの数の増減も分かるそうです。名古屋港のコンテナは20年3月から一時期3割減まで下がったが10月以降は回復が続いたそうです。
このようにマクロ的な情報から経済をとらえるのもデータ活用の一種と思います。とても興味深いですね。
マクロな分析といえば、下水から新型コロナウイルスを検出するサービスを島津製作所の子会社が始めたそうです。下水の排出元のエリアが特定できます。
下水のコロナウイルスを分析するとそのエリアでの感染状況がわかります。とても面白い取り組みです。下水は一旦混じると個人や家庭までとくていできません。
その点では個人情報の問題が起こらず、かつエリアごとの対策につながる有用なアイデアだと思います。