新規ビジネスやイノベーションに関する気になったニュースをまとめて紹介。
クスノキ科の木 全て同じ遺伝子
クスノキ科の木 全て同じ遺伝子
2021年3月8日(月) 日経新聞朝刊
日本の森林に広く分布するクスノキ科の落葉樹「ヤマコウバシ」が、全て同じ遺伝子を持つクローンである
小さい記事でしたが、SFみたいな話しで驚きました。ヤマコウバシは海外では雄株と雌株が存在しているが、日本では雌株しか見つかっていないそう。
植物は子孫を残すのが難しい環境下で単為生殖をすることがあるとのことです。日本のヤマコウバシもその可能性があるのでしょう。
新規事業に直接関連する記事ではないですが似た側面があると思います。
今のようなコロナ禍は厳しい環境下といえます。このような環境下で生き残るには工夫や進化が必要だと植物が教えてくれているような気がします。
アップル、独で半導体開発
アップル、独で半導体開発
2021年3月11日(木) 日経新聞朝刊
米アップルは10日、ドイツで半導体開発を強化すると発表した。
アップル、独で半導体開発: 日本経済新聞 (nikkei.com)
アップルのパソコン向けの半導体をインテル製から置き換えるそうです。スマートフォン向けの通信用半導体も自社設計に切り替えるという報道もあるそうです。IoT時代であらゆるものが通信につながる時代がきます。そうすると、半導体があらゆる製品に搭載されます。半導体がストップすると産業が止まるといっても過言ではありません。製造は台湾のTSMCなど製造の専業が最大手です。ここから供給を受けられなくなることはリスクになります。日本も1980年代は半導体で世界を席巻しました。今はメモリが一部残ってますが世界的に見ると規模は負けています。日本が強みを出せる産業が少ないのは悔しいですね。何とか世界に通用する産業を増やしたいですね。
水道・電気AIで自動検針
水道・電気AIで自動検針
2021年3月10日(水) 日経新聞朝刊
大崎電機工業は人工知能(AI)を活用、ビルや商業施設の管理業務にかかる人手を削減するシステムを開発する。
水道・電気 AIで自動検針: 日本経済新聞 (nikkei.com)
実証実験で使うのはなかなか面白いシステムです。備え付けの機械式メーターに光学式読み取り機を搭載して無人で読み取るとのことです。この方式だとメーター自体をそのまま利用し後付け装置で読み取り自動化が実現できます。
遠い未来はメーター自体がIoT化されて自動でデータを収集できる時代がくるのでしょうか、そこい至る過程では既存の装置との共存が必要です。上記のような技術は過渡期には有用だと思います。
駐車場の空き状況配信
駐車場の空き状況配信
2021年3月10日(水) 日経新聞朝刊
英新興 即時情報、カーナビに
駐車場の空き情報を配信する英スタートアップ、パーコペディアが日本に進出する。
駐車場の空き状況配信: 日本経済新聞 (nikkei.com)
駐車場の位置や料金、空き情報、車両制限の有無のデータを、遠隔通信機能を持つカーナビに配信するそう。欧米ではトヨタやホンダにも提供しているそうです。私の車は通信機能がついていないですが、今後は新車の多くが通信機能を搭載したコネクティッドカーになってきます。それによって可能になるサービスも多く出てくるでしょう。本記事のその1つです。スマホ経由で車の鍵を開ける機能も出始めています。そうすると、宅配業者に1回限りの開錠権限を与えて車を宅配ボックスにすることができます。車は鍵の掛かる個室空間です。使い方は無限大に考えらえるでしょう。
苦境GE、「複合経営」に幕
苦境GE、「複合経営」に幕
2021年3月12日(金) 日経新聞朝刊
航空機リース売却、金融子会社解散
米ゼネラル・エレクトリックは10日、航空機ルース事業を同業に売却し、金融子会社のGEキャピタルも解散すると発表した。
GEは航空機のエンジンを開発するだけでなく、自社エンジンを搭載した航空機をリースし、利益率の高いエンジンの保守サービスも展開しました。エンジンにセンサーを搭載し大量のデータを取得し故障を予測するなどIoTの先駆けの事例としても良く紹介されました。私も同じ製造業にいる身としてモノを売って終わりにしない稼ぐ仕組みを構築したGEを羨望のまなざしで見ていました。
そんなGEが今、帰路に立たされています。一時は金融で大きな利益を得ていましたがリーマンショックで巨額赤字を出しました。その後、金融の割合を減らしていき、航空機で大きな利益を上げるに至りました。しかし、新型コロナの影響で航空機ビジネスが一変、今回の決断に至ったようです。
今後は航空機エンジン、再生エネルギー、電力、医療機器に注力するそうです。このままGEが衰退していくとは思えません。今後の事業戦略に注目していきたいです。
マスクにJIS規格
マスクにJIS規格
2021年3月13日(土) 日経新聞朝刊
日本衛生材料工業連合会はマスクの品質管理に日本産業規格(JIS)を導入する。
新型コロナ: マスクにJIS規格、業界団体導入へ 品質の安定目指す: 日本経済新聞 (nikkei.com)
日本のマスクは産業用の一部を除いて、性能などを定めた国の規格がないそうです。
新型コロナ前からマスク社会だった日本で性能基準がなかったのには驚きです。この記事を取り上げたのは別記事で記載した標準を活用したビジネス拡大に関連するからです。
標準化するとその内容に関連する特許について活用が制限されます。詳しくは下記記事を参照ください。
従って自社の差別化技術は標準に入れないのが原則です。紹介している日経の記事はマスクの性能に関するものになると思われます。
性能の基準を示すこととで間接的に粗悪品を排除できます。決まった評価では測定した性能を示すと消費者は比較が可能となります。
「少々高くても高いものを買おう」と考えます。この標準の使い方は差別化技術を標準化したものではありません。各社の差別化技術はいかに性能の良いマスクを作るかということです。
100m走だとタイムが早い方が勝ちです。このタイムに相当するものを標準で決めるイメージですね。その基準で測定されていない商品は信頼を得ることができず購入されなくなっていきます。
標準を決める過程に入ることも重要です。自分の商品の良い点をしっかり測定できる規格にしないと意味がありません。
EV電池 再利用加速
EV電池 再利用加速
日産自動車は電気自動車(EV)の使用済み電池の供給能力を、現状の1・7倍となる年間5000台規模に引き上げる。2021年3月14日(日) 日経新聞朝刊
EV電池の再利用加速 日産、供給力1.7倍の年5000台: 日本経済新聞 (nikkei.com)
電気自動車の電池は使うほど劣化します。能力が7割程度になると交換が必要になります。電池が劣化すると走行距離が減ってしまます。
これは電気自動車のデメリットの1つです。どんなに充電しても新車時の7割しか走りませんと言われると中古は買いたくなくなりますよね。
ですのでリーフなどの古い車種の中古価格は非常に低くなっています。電池の性能は年々向上しているので、劣化のスピードは遅くなっています。
とはいえスマホでも同じですが劣化しない電池はありません。そこで、この記事のような再利用が登場するのでしょう。
7割の性能になっても、家庭用蓄電池としては十分使えます。再利用することで環境にもやさしくなります。下取りするとその分をバッテリー交換の費用に充てることもできるかもしれません。
電池に使われているリチウムはレアアースです。再利用が進むことを期待します。