毎日、新聞を読むの大変ですよね。たくさんの記事を読んでも頭に残るのはわずか・・そんなこともありますよね。欲張らず、1日1記事だけでも頭に入れるとビジネスへの活用の幅が広がります! 日経新聞から記事をピックアップして解説、1日分1分で読める分量にしています。短時間で『知ってるビジネスマン』に変身しましょう!
【執筆者プロフィール】
松本タケル〔ペンネーム〕 企業で特許戦略に携わる弁理士。ネットワークスペシャリスト・情報セキュリティスペシャリスト・エンベデッドシステムスペシャリストの資格を有しITにも精通。趣味はスキルアップとビジネスに役立つ知識を収集すること。
*PEST分析(Politics(政治・法律)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術))のいずれに該当するかを明示しています。
(11月28日)気候変動による災害・異常気象 死者の9割 途上国に集中
気候変動による災害・異常気象
2023年11月28 日(火) 日経新聞朝刊
死者の9割 途上国に集中
気候変動のしわよせが発展途上国に向かっている。国際非政府組織(NGO)オックスファムの報告によると、過去50年間で気候変動により発生または悪化した災害や異常気象の死亡者のうち91%が発展途上国に集中していた。
【Society(社会)】気候変動が、格差を広げています。インフラの整っていない途上国が、海面上昇や、砂漠化などの影響を受けています。富裕層1%が出す温暖化ガスは全体の16%だそうで、これは、下位66%(50億人)の排出量と同等だそうです。なんとも不合理な事実です。
(11月27日)株式購入権、税優遇を拡大
株式購入権、税優遇を拡大
2023年11月27日(月) 日経新聞朝刊
スタートアップなど企業の人材獲得を後押しし、成長を支える環境づくりが広がってきた。政府・与党は2024年度税制改正でストックオプション(株式購入権)を行使した際に税優遇を受けられる上限を年1200万円から引き上げる。日本経済の底上げにつなげる狙いがある
【Politics(政治・法律)】日本もスタートアップの市場拡大に資する税制を導入します。ストックオプションを社外の人材に付与する要件も緩和するとのことです。これにより、外部人材の登用が進むことが期待されます。より高いスキルと身に付けないと恩恵を受けられなさそうですね。
(11月26日)「飛び移った」遺伝子で進化
「飛び移った」遺伝子で進化
2023年11月26日(日) 日経新聞朝刊
生物の遺伝子は通常、親から子へと受け継がれる。だが別の生物へと遺伝子が「飛び移る」こともあり、それが生物進化にイノベーションをもたらしていることが分かった。
【Technology(技術)】遺伝子は両親からのみ引き継がれると思っていましたが、そうではないようです。カマキリの内臓に入り操るハリガネムシの遺伝子には、カマキリと似た遺伝子が1300個見つかったそうです。これを鍵として操っているのではないかということです。遺伝子の水平伝搬と呼ぶそうです。寄生虫が仲介して、蛇からカエルへ遺伝子が飛び移った可能性もあるそう。遺伝子とは本当に多様で不思議なものですね。
(11月25日)出生数、8年連続最小
出生数、8年連続最小
2023年11月25日(土) 日経新聞朝刊
少子化に歯止めがかからない。民間試算によると2023年の日本人の出生数は70万人台前半と8年連続で過去最少を更新する見通しとなった。
【Society(社会)】日本の少子化が止まりません。新型コロナウイルスにより婚姻数が低迷しています。さらに結婚しても子供を作らない夫婦も増えています。このままだと前年から5・5%も出生率が減少するとのことです。前年から5%以上も下がるのはただ事ではありません。政府も対策を始めていますが、もっと早くすべきだったという気がしてなりません。
(11月23日)アルトマン氏、CEO復帰
アルトマン氏、CEO復帰
2023年11月23日(木) 日経新聞朝刊
オープンAI 理事会大幅刷新へ
対話型AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を開発した米オープンAIは21日、解任したサム・アルトマン氏が最高経営責任者(CEO)として復帰することで関係者が基本合意したと発表した。
【Economy(経済)】電撃解任が伝えられたオープンAIのアルトマン氏ですが、4日で復帰の流れとなりました。解任の誤算は、社員が復帰の署名を始め、9割が賛成したことです。巨額投資をしているマイクロソフトとしても、オープンAIの顔であるアルトマン氏には残ってもらいたいのでしょう。この騒動で理事会を一新するとのこと。AIをリードする企業ですが暴走しないことを望みます。
(11月21日)最適輸送ルート 自動生成
最適輸送ルート 自動生成
2023年11月21日(火) 日経新聞朝刊
物流「24年問題」に対応
NECやNTTデータ、富士通のIT(情報技術)大手が日本の物流効率化に相次ぎ乗り出す。人工知能(AI)や量子技術を活用して共同配送や中継輸送の効率を引き上げる。トラック運転手の残業規制が強化されて従来の輸送力を維持できなくなる「2024年問題」の解決につなげる。
【Technology(技術)】国交省によると、営業用トラックの積載率は約4割とのことで、半分以上を空で運んでいることになります。働き方改革で24年4月からトラック運手種の時間外労働が年間960時間までに規制され、連続運転が4時間までとなります。運転手不足の対策が必要で、ITとAIの力で効率化を図ります。実証実験を繰り返して、ユーザーが使いやすいものにしてほしいですね。
(11月19日)チャットGPTの顔 アルトマン氏解任
チャットGPTの顔 アルトマン氏解任
2023年11月19日(日) 日経新聞朝刊
生成AI(人工知能)「Chat(チャット)GPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が17日、突如退任した。生成AIブームで企業価値が13兆円に急拡大する中、利益や開発スピードを優先する路線と、安全性を重視する路線で対立が生じたとの見方がある。
【Technology(技術)】チャットGPTで一躍有名になったアルトマン氏が突如解任されました。内部抗争でしょうか。マイクロソフトはオープンAIに1兆円もの資金を投資しています。今回の動きは本意ではないでしょう。ビジネス拡大を目指すアルトマン氏に対して、AIの安全性を重視する取締役との間に対立があったようです。一部では、アルトマン氏の復帰を画策する動きもあるとの記事が出ています。世界でホットなAI企業の話題は気になりますね。
(11月18日)パナHD、車部品会社売却
パナHD、車部品会社売却
2023年11月18日(土) 日経新聞朝刊
米ファンドに数千億円
パナソニックホールディングス(HD)は17日、自動車部品子会社の売却で、米投資ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントのグループ会社と基本合意したと発表した。今後の投資は電気自動車(EV)向け電池など成長事業に軸足を移す。
【Society(社会)】パナソニックは家電だけでなく、車載用の電池や、車の部品など、産業向けのビジネスもあります。事業ポートフォリオの見直しに入ってきたようです。子会社であるパナソニックオートモーティブシステムズの株式50~80%をファンドに譲渡するそうです。ファンドの資金で事業が伸ばせるかが問われますね。
(11月17日)EV航続距離 量子で延伸
EV航続距離 量子で延伸
2023年11月17日(金) 日経新聞朝刊
東京工業大学などは量子技術を活用した「量子センサー」を使って、電気自動車(EV)の航続距離を10%程度伸ばすための基礎技術を開発した。
【Technology(技術)】ダイヤモンドの構造を使た量子センサーで、蓄えられた電気の量を正確に測れるようになるそうです。正確に測ることで、これまで余裕をみて10%程度少なく充電をしていたところを、ギリギリまで充電できるようになるとのこと。しっかり、特許で技術を押さえて、真似されないようにしてほしいところです。
(11月15日)巨大ITに課税 明記へ1
海外スマホゲームの消費税
2023年11月15日(水) 日経新聞朝刊
巨大ITに課税 明記へ
海外の事業者が国内で販売するアプリにかかる消費税について、事業者ではなくIT(情報技術)大手が納税義務を負うことになる。
【Economy(経済)】日本のモバイル端末向けアプリの市場規模は2023年に4兆4000億円にもなるそう。海外のアプリに対して適切に消費税が納められていないとの指摘がありました。そこで、グーグルやアップルに変わりに納税をさせる制度が税制大綱に盛り込まれる方向です。もっと早くできなかったものでしょうか?と不思議に思います。
(11月14日)知財収入に税優遇 創設へ *最新
知財収入に税優遇 創設へ
2023年11月14日(火) 日経新聞朝刊
政府・与党は特許などの知的財産から得られる所得を税優遇する税制の創設を決め、12月にまとめる与党税制改正大綱までに詳細を詰める。
【Politics(政治・法律)】イノベーションボックス税制と呼ばれるもので、欧州では導入されている国があります。論点は「特許などの知財を組み込んだ製品から得た収益に税優遇をするか」という点です。売上に税を優遇すれば非常に大きな額の減税がなされる可能性があります。知財業界にいるものとして、大いに気になるところです。
(11月12日)米ハリウッド俳優組合 スト完全終結
AI利用規則・報酬で合意
2023年11月12日(日) 日経新聞朝刊
米ハリウッド俳優組合 スト完全終結
結米ハリウッドの映画俳優組合は10日、全米映画テレビ制作者協会(AMPTP)との暫定合意を理事会で承認した。人工知能(AI)の利用に関するルールや、動画配信サービスの報酬還元策が盛り込まれた。。
【Economy(経済)】118日間続いた、ハリウッドの俳優組合のストが終わりました。生成AIをつかった俳優のレプリカを作る際に、顔や体の一部を使う場合でも説明と同意が必要で、公正な報酬を義務付けました。また、印税が少なかったネットフリックスなどの動画配信作品でのボーナスなどの支給が決まったそうです。こういった側面でも米国は動きが速いなと思います。日本は遅れていますね。
(11月8日)人材競争力 日本、トップ25脱落
人材競争力
2023年11月8日(水) 日経新聞朝刊
日本、トップ25脱落
仏ビジネススクールのINSEAD(インシアード)が7日発表した2023年版の「世界人材競争力指数」で、日本は134カ国中26位と、調査を始めた13年以来で初めて上位25カ国から脱落した。韓国が日本を逆転して24位となった。
【Economy(経済)】この調査は、各国が技術革新や経済成長に貢献できる人材を開発・獲得・維持する力を比較して指標化したものとのことです。この調査でも日本が競争力を失いつつあることが示されました。他の先進国よりも給料が安く、少子化も進む日本。少し寂しい気がします。国としての施策が問われていると思います。
(11月7日)NTT、米自動運転に出資
NTT、米自動運転に出資
2023年11月7日(火) 日経新聞朝刊
NTTは自動運転事業に参入する。米スタートアップに出資し、国内向けに無人バスやタクシーの自動運転サービスを開発する。まずトヨタ自動車の車両を活用する。運転手不足が深刻になる中で輸送網の維持に向け、自動運転を活用する動きが日本企業で広がってきた。
【Technology(技術)】NTTが米のメイ・モビリティというスタートアップに100億円を投資します。NTTは開発中の通信基盤であるIOWNを自動運転システムに組み込むことも考えているようです。通信以外に儲けの活路を見出そうとしているのかもしれません。
(11月6日)情報流出、管理責任も
情報流出、管理責任も
2023年11月6日(月) 日経新聞朝刊
企業からの情報の不正な持ち出しについて、捜査機関が個人情報保護法違反で摘発する例が目立ち始めた。不正競争防止法で定める「営業秘密」よりも対象範囲が広く、様々な事例に対応しやすい。
【Politics(政治・法律)】個人情報の管理体制が甘い場合、被害にあったはずの会社が、刑事責任を問われる可能性があります。とある弁護士によると、捜査機関側では個人情報保護法での立件に対する知見が蓄積されているそうです。不正競争防止法では「情報を秘密管理していること」を要件としていますが、個人情報保護法ではこの要件の立証が不要な分、捜査機関にとっては使い勝手が良いようです。各社、情報管理をしっかりしないと、自社にしっぺ返しがきますね。
(11月5日)日鉄・トヨタの特許訴訟終結
日鉄・トヨタの特許訴訟終結
2023年11月5日(日) 日経新聞朝刊
日本を代表する製造業の日本製鉄とトヨタ自動車による異例の特許訴訟が終結した。電磁鋼板の特許を侵害されたとして、日鉄が2021年にトヨタなどに損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。日鉄が判決を前に請求を放棄した背景には、提訴から2年経過するなかで事業環境が大きく変化したことがありそうだ。
【Politics(政治・法律)】鋼板を納める日本製鉄が、納入先のトヨタ自動車を特許で訴えたのが二年前、とても驚きました。中国の宝山との訴訟は継続しています。当事者間で水面下の交渉が進められていたと推察され、どういったやりとりがあったかを表に出ることはないと思います。協調関係に日本製鉄が訴えたことでプラスの効果があったのなら、訴訟をした行為自体はプラスに働いたのかもしれないですね。